ニューヨーク外国為替市場概況・12日 ドル円、続落

 12日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続落。終値は144.88円と前営業日NY終値(145.29円)と比べて41銭程度のドル安水準となった。米10年債利回りが4.00%台まで上昇すると全般ドル買いが先行し、22時30分前に一時145.57円と日通し高値を付けたものの、すぐに失速した。米労働省が発表した12月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回ると、前日の12月米消費者物価指数(CPI)発表後に高まったインフレ警戒感が後退し、米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測が再燃。米長期金利の低下とともにドル売りが優勢となり、0時30分前に一時144.36円と日通し安値を更新した。米10年債利回りも一時3.91%台まで低下した。
 ただ、10日の安値144.32円が目先サポートとして働くと下げ渋った。米10年債利回りが3.97%台まで低下幅を縮めたことも相場を下支えした。

 ユーロドルは下落。終値は1.0951ドルと前営業日NY終値(1.0972ドル)と比べて0.0021ドル程度のユーロ安水準だった。22時過ぎに一時1.0936ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.0930ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。米PPIの下振れを受けて全般ドル売りが強まると、0時過ぎに一時1.0987ドルと日通し高値を付けた。ただ、3時前には1.0947ドル付近まで下押しした。NY市場では米長期金利の動向に左右されて、方向感に乏しい展開となった。

 ユーロ円は続落。終値は158.66円と前営業日NY終値(159.41円)と比べて75銭程度のユーロ安水準。22時30分前に一時159.30円付近まで値を上げたものの、低調な米インフレ指標をきっかけにドル円が下落するとユーロ円にも売りが波及。23時30分前に一時158.55円と本日安値を更新した。

 代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは大幅安となった。ビットコインの現物に投資する上場投資信託(ETF)が上場した前日には、対ドルで一時4万9021ドル前後と2021年12月以来の高値を付け、対円では714万円台と21年11月以来の高値を更新していた。ただ、本日は「材料出尽くし」として利食い売りなどが優勢に。対ドルでは一時4万3179ドル前後、対円では626万円台まで値を下げた。

本日の参考レンジ
ドル円:144.36円 - 145.57円
ユーロドル:1.0936ドル - 1.0987ドル
ユーロ円:158.55円 - 159.57円

(中村)
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