ニューヨーク外国為替市場概況・31日 ドル円、反落

 31日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反落。終値は146.92円と前営業日NY終値(147.61円)と比べて69銭程度のドル安水準だった。米連邦公開市場委員会(FOMC)後の荒い値動きの中で、5時前に一時146.01円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は急速に買い戻しが進み、5時30分過ぎに147.44円付近まで下げ渋った。
 この日発表された1月ADP全米雇用報告や10-12月期米雇用コスト指数、1月米シカゴ購買部協会景気指数が軒並み予想を下回ったことが分かると、米長期金利の低下とともに全般ドル売りが先行。市場では「月末のロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだ円買いのフローが入った」との指摘があり、軟調に推移した。
 その後、米連邦準備理事会(FRB)は今日まで開いたFOMCで市場予想通りFFレートの誘導目標を5.25-5.50%に据え置くことを決めたと発表。声明では雇用や物価について「リスクのバランスが改善している」と評価したほか、前回までは追加の引き締め策を決定する際の条件を記していたが、今回はその表現を外し「追加利上げの可能性が極めて低くなった」ことを示唆した。ただ、「インフレが持続的に2%に向かっているとの確信が深まるまで、利下げは適切ではない」との見解を示し、FRBがすぐに利下げに転じるという市場の見方をけん制する表現を新たに盛り込んだ。
 加えて、パウエルFRB議長がFOMC後の会見で「適切であれば金利を長期間維持する用意がある」「3月利下げの可能性が高いとは考えていない」などと発言。FRBの早期利下げ観測が後退し、ドルを買い戻す動きが広がった。

 ユーロドルも反落。終値は1.0818ドルと前営業日NY終値(1.0845ドル)と比べて0.0027ドル程度のユーロ安水準となった。この日発表の米経済指標が軒並み予想を下回ると、米長期金利の低下とともにドル売りが先行。前日の高値1.0857ドルを上抜けて一時1.0887ドルまで上値を伸ばした。
 ただ、FOMC声明やパウエルFRB議長の会見を受けて米早期利下げ観測が後退すると、ドル買い戻しが優勢に。5時30分過ぎに一時1.0795ドルと日通し安値を更新した。

 ユーロ円は大幅反落。終値は158.95円と前営業日NY終値(160.09円)と比べて1円14銭程度のユーロ安水準。21時頃に一時160.27円と日通し高値を付けたものの、対ドル中心に円が全面高の展開になると大幅に値を下げた。米国株相場や日経平均先物の急落に伴うリスク・オフの円買いも入り、5時前には158.57円と日通し安値を更新した。
 なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比580円安の3万5790円まで大幅に下落した。

本日の参考レンジ
ドル円:146.01円 - 147.90円
ユーロドル:1.0795ドル - 1.0887ドル
ユーロ円:158.57円 - 160.27円

(中村)
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