ニューヨーク外国為替市場概況・2日 ドル円、3日ぶり大幅反発

 2日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3営業日ぶりに大幅反発。終値は148.38円と前営業日NY終値(146.43円)と比べて1円95銭程度のドル高水準だった。米労働省が発表した1月米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比35.3万人増と予想の18.0万人増を上回り、失業率が3.7%と予想の3.8%より強い内容だったことが分かると、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが先行。平均時給が前月比0.6%上昇/前年比4.5%上昇と予想の前月比0.3%上昇/前年比4.1%上昇を上回ったことも相場の支援材料となり、一時148.58円まで大きく値を上げた。米長期金利の指標となる米10年債利回りは3.86%台から4.05%台まで急騰した。
 ただ、買い一巡後は148円台前半で値動きが鈍った。週末を控えてポジション調整目的の売買に終始したほか、「市場の関心はすでにパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が4日(日本時間5日9時)に出演する米CBSニュースの番組『60ミニッツ』に移っている」との指摘があった。なお、パウエル氏は当番組でインフレリスクや利下げを巡る見通し、銀行システムなどについて話すようだ。

 ユーロドルは反落。終値は1.0788ドルと前営業日NY終値(1.0872ドル)と比べて0.0084ドル程度のユーロ安水準となった。米雇用統計の上振れをきっかけに米早期利下げ観測が後退するとドル全面高の展開となった。3時30分前に一時1.0780ドルまで値を下げ、前日に付けた昨年12月13日以来の安値に面合わせした。市場では「米雇用者数が1年ぶりの大幅増となり、賃金も伸びが加速。米労働市場が再び勢いを増していることが示唆され、利下げ先送りの可能性が高まった」との声が聞かれた。

 ユーロ円は続伸。終値は160.07円と前営業日NY終値(159.21円)と比べて86銭程度のユーロ高水準。ユーロドルの下落につれた売りが出た半面、ドル円の上昇につれた買いが入った。米早期利下げ観測が後退したにもかかわらず、米株式市場で主要3株価指数がそろって上昇したことも円売り・ユーロ買いを誘った。2時30分前には一時160.26円と日通し高値を更新した。

本日の参考レンジ
ドル円:146.24円 - 148.58円
ユーロドル:1.0780ドル - 1.0898ドル
ユーロ円:159.05円 - 160.26円

(中村)
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