NY為替見通し=FRB高官のタカ派・ハト派度や入札を受けた米長期金利の振れ注視

 NYタイムは、148円を挟んでもみ合っているドル円が上下どちらかへ放れるきっかけを探る局面となりそうだ。序盤22時30分発表の12月米貿易収支は必ずしもドル相場の振れにつながるといえないが結果に一応留意しつつ、米連邦準備理事会(FRB)高官の発言内容や米債入札の結果に気を配りながら動向を追うことになるか。

 午前1時から講演を行うクーグラーFRB理事はタカ派・ハト派のスタンスがまだ明確ではないが、利下げ時期を模索するなかで政策の自由度を狭めることがないような中立的な見解を述べるというのが基本的な見方になるだろう。

 各連銀総裁の講演のなかでは、同2時30分からのリッチモンド連銀のバーキン総裁発言に注目したい。今年の連邦公開市場委員会(FOMC)金融政策決定の投票権を有するFOMCメンバーである。同総裁は先月、1月30-31日にFOMC会合を控えるなか「経済が正常に戻れば、金利も正常化するべきだ」との見解を述べていた。インフレ動向について「データ次第」として、雇用など経済動向にも配慮すべきとの姿勢を示すとみるが、利下げ時期について含みを持たせた発言があればドル相場の振れも相応に大きくなりそうだ。

 そのほか常に投票権を持つ理事のうち、ボウマンFRB理事の講演も4時から予定されている。同理事は直近では2日に「まだ利下げが適切な段階には達していない」と述べていた。

 米債入札を受けた米金利の振れも注視すべきで、長期金利の動向に直接影響を及ぼす米10年債の入札が3時から行われる。債券需給の強弱に注目することになる。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値めどは、5日高値148.89円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値めどは、1日高値147.11円。

(関口)
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