ロンドン為替見通し=ユーロドル、関税をめぐる不安が続くなか底堅いか
本日、ユーロ圏では4月独生産者物価指数(PPI)、3月ユーロ圏経常収支や5月ユーロ圏消費者信頼感などの発表が予定されている。また、トランプ関税の影響は鮮明にはなっていないものの、ユーロ圏でも景気拡大への期待が大幅に後退したのは確かである。
欧州委員会が昨日に公表した春季経済見通しで、ユーロ圏の消費者物価指数(CPI)は今年半ばまでに目標の2%に低下し、来年は1.7%程度になると予想した。要因としてはエネルギーコストの低下や中国製品の流入増加、ユーロ高などの物価下押し効果などを取り上げた。ユーロ圏のGDP成長率は今年が0.9%、来年は1.4%との見通しを示し、4月の国際通貨基金(IMF)見通しに比べるとやや楽観的であった。
欧州中央銀行(ECB)の次回理事会は6月5日に予定され、政策判断と合わせ、スタッフによる四半期経済見通しが発表される予定だ。関税の不確実性で政策が今後どう展開するかをめぐる不確実性は高く、理事会内の見解の相違が浮き彫りになっているが、現状では米関税が物価に下押し圧力をかけるとの見方を示し、利下げを支持するメンバーが多い。
米政権と欧州連合(EU)の関税交渉のヘッドラインに注視しつつ、ロシアとウクライナ停戦交渉にも注目。トランプ米大統領は昨日にプーチン露大統領と電話会談を実施し、「ロシアとウクライナは停戦に向け交渉を始める」と明らかにした。一方、欧州諸国は米ロ首脳の電話会談で、プーチン大統領がウクライナでの無条件の停戦に応じなかったことを受け、対ロ追加制裁に踏み切る構えを示した。EUは20-22日の主要7カ国(G7)でロシア産原油の取引価格上限を現行の1バレル=60ドルから引き下げるように提案する方針を固めており、50ドル案が有力視されている。
トランプ関税の不確実性が続いていることで、全般ドルの上値が重く、ユーロドルは底堅い動きが見込まれる。ただ、米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ期待が後退している一方で、ECBの追加利下げ思惑が根強いことで、政策見通しの格差が上値を圧迫する要因となる。
・想定レンジ上限
ユーロドルは昨日の高値1.1288ドル、日足一目均衡表・基準線1.1319ドル。ユーロ円は日足一目均衡表・転換線163.68円や15日高値164.07円。
・想定レンジ下限
ユーロドルは昨日の安値1.1157ドルや日足一目均衡表・雲の上限1.1121ドル。ユーロ円は7日安値161.94円や日足一目均衡表・雲の上限161.09円。
(金)
欧州委員会が昨日に公表した春季経済見通しで、ユーロ圏の消費者物価指数(CPI)は今年半ばまでに目標の2%に低下し、来年は1.7%程度になると予想した。要因としてはエネルギーコストの低下や中国製品の流入増加、ユーロ高などの物価下押し効果などを取り上げた。ユーロ圏のGDP成長率は今年が0.9%、来年は1.4%との見通しを示し、4月の国際通貨基金(IMF)見通しに比べるとやや楽観的であった。
欧州中央銀行(ECB)の次回理事会は6月5日に予定され、政策判断と合わせ、スタッフによる四半期経済見通しが発表される予定だ。関税の不確実性で政策が今後どう展開するかをめぐる不確実性は高く、理事会内の見解の相違が浮き彫りになっているが、現状では米関税が物価に下押し圧力をかけるとの見方を示し、利下げを支持するメンバーが多い。
米政権と欧州連合(EU)の関税交渉のヘッドラインに注視しつつ、ロシアとウクライナ停戦交渉にも注目。トランプ米大統領は昨日にプーチン露大統領と電話会談を実施し、「ロシアとウクライナは停戦に向け交渉を始める」と明らかにした。一方、欧州諸国は米ロ首脳の電話会談で、プーチン大統領がウクライナでの無条件の停戦に応じなかったことを受け、対ロ追加制裁に踏み切る構えを示した。EUは20-22日の主要7カ国(G7)でロシア産原油の取引価格上限を現行の1バレル=60ドルから引き下げるように提案する方針を固めており、50ドル案が有力視されている。
トランプ関税の不確実性が続いていることで、全般ドルの上値が重く、ユーロドルは底堅い動きが見込まれる。ただ、米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ期待が後退している一方で、ECBの追加利下げ思惑が根強いことで、政策見通しの格差が上値を圧迫する要因となる。
・想定レンジ上限
ユーロドルは昨日の高値1.1288ドル、日足一目均衡表・基準線1.1319ドル。ユーロ円は日足一目均衡表・転換線163.68円や15日高値164.07円。
・想定レンジ下限
ユーロドルは昨日の安値1.1157ドルや日足一目均衡表・雲の上限1.1121ドル。ユーロ円は7日安値161.94円や日足一目均衡表・雲の上限161.09円。
(金)