NYマーケットダイジェスト・1日 株高・ドル一転下落

(1日終値)
ドル・円相場:1ドル=150.12円(前営業日比△0.14円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.68円(△0.62円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0837ドル(△0.0032ドル)
ダウ工業株30種平均:39087.38ドル(△90.99ドル)
ナスダック総合株価指数:16274.94(△183.02)
10年物米国債利回り:4.18%(▲0.07%)
WTI原油先物4月限:1バレル=79.97ドル(△1.71ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2095.7ドル(△41.0ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)              <発表値>   <前回発表値>
2月米製造業PMI改定値               52.2     51.5
2月米ISM製造業景況指数              47.8     49.1
1月米建設支出(前月比)              ▲0.2%   1.1%・改
2月米ミシガン大学消費者態度指数・確報値      76.9     79.6
2月メキシコ製造業PMI               52.3     50.2

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は反発。米10年債利回りが上昇したことを背景に買いが進行。2月米製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値が予想を上回る結果になると一時150.72円と本日高値を更新した。ただ、2月米ISM製造業景況指数や2月米ミシガン大学消費者態度指数・確報値、1月米建設支出がいずれも弱い内容だったことで米長期金利の急低下とともに失速。150.08円付近まで下落し、その後の戻りも鈍いまま取引を終えた。
 なお、バーキン米リッチモンド連銀総裁は「市場が織り込む年内の利下げ回数が減っているのはデータに反応しているため。FRBは市場と闘ってはいない」と述べたほか、グールズビー米シカゴ連銀総裁は「住宅インフレがなぜ一段と低下していないのか、われわれは完全には把握しておらず、注視しなければならない」と発言した。

・ユーロドルは4営業日ぶりに反発。米長期金利の上昇を手掛かりに本日安値となる1.0798ドルまで下げたが、昨日安値の1.0796ドルを下抜け出来ず反発。低調な米指標が相次いだことで米長期金利が急低下すると全般ドル売りが進んだため1.0843ドルまで持ち直した。
 ドル安の流れに沿ってその他ストレート通貨も強く、ポンドドルは1.2664ドル、豪ドル米ドルは0.6534米ドル、NZドル米ドルは0.6112米ドルまでそれぞれ上昇した。WTI原油先物価格が昨年11月以来の80ドル台に乗せたことを好感してカナダドルも対ドルで1.3545カナダドルまで強含んだ。

・ユーロ円は反発。ドル円の失速につれる形で162.50円台まで下押ししたが、ユーロドルが反発した影響も受けたため下値は堅かった。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。米長期金利が低下したことが投資家心理の改善につながった。セールスフォースやアマゾン・ドット・コムなどのハイテク株の上昇が目立った。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指は続伸した。連日で史上最高値を更新。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を付けている。

・米国債券相場で長期ゾーンは3日続伸。2月米製造業PMI改定値が予想を上回ったことで債券売りが強まり、利回りは一時4.29%まで上昇した。ただ、その後に発表された2月米ISM製造業景況指数などが相次いで弱い内容だったため、一転して債券買いが活発化した。

・原油先物相場は3日ぶりに大幅反発。石油輸出国機構(OPEC)プラスによる自主減産の延長観測が支えとなった。弱い米経済指標を受けた米金利低下・ドル安が、ドル建て原油相場の換算値押し上げに寄与した面もあった。

・金先物相場は大幅に続伸。2月米ISM製造業景況指数や2月米ミシガン大学消費者態度指数・確報値、1月米建設支出がいずれも予想を下回ったことを受けて米金利低下・ドル安が進行。金利低下により金利がつかない資産である金に対する投資妙味が相対的に回復。ドル安はドル建て金相場の割安感につながり買いを促した。ドル安はドルの代替資産とみなされることもある金の相対的な価値向上にも寄与した。


(越後)
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