NY株見通し-米2月雇用統計(非農業部門雇用者数・平均賃金)に注目

 今晩は米2月雇用統計に注目。昨日は欧州中央銀行(ECB)がインフレ率見通しを引き下げたことや、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米上院銀行委員会で利下げ開始のためのインフレ低下に対する確信はそう遠くないとしたことで世界的なインフレ鎮静化期待や、先行きの米利下げ期待が高まり主要3指数がそろって2日続伸した。S&P500は取引時間中と終値の史上最高値を更新し、ナスダック総合も取引時間中の史上最高値を更新した。エヌビディアなどの半導体株が軒並み大きく上昇し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も史上最高更新を更新した。週初来ではダウ平均が0.76%安とマイナス圏にとどまった一方、S&P500が0.39%高と3週続伸ペースとなり、ナスダック総合は0.01%安と先週末水準をほぼ回復した。引け後の動きでは予想を大幅に上回る決算を発表したギャップが時間外で5%超上昇した一方、弱い見通しが嫌気されたブロードコムが時間外で3%超下落し、3-5月期売上高見通しが予想をやや下回ったコストコ・ホールセールも時間外で4%超下落した。

 今晩は労働市場やインフレ動向を巡り、米2月雇用統計に注目が集まる。寄り前に発表される2月雇用統計の市場予想は、非農業部門雇用者数(NFP)が20.0万人増(前月:35.3万人増)、失業率が3.7%(同:3.7%)、平均賃金が前月比+0.3%(同:+0.6%)、前年比+4.4%(同:+4.5%)となっており、NFPや平均賃金が予想を上回る強い結果となれば、インフレ長期化懸念や利下げ後ずれ懸念が強まることが警戒される。

 今晩の米経済指標・イベントは2月雇用統計のほか、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁の討議参加。主要な企業の決算発表はなし。週末10日日曜日に米国が夏時間(サマータイム)に移行する。(執筆:3月8日、14:00)
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