NY株見通し-今週は利下げ見通しを巡り2月CPIなどのインフレ指標に注目

 今週のNY市場は物価指標に注目。先週はダウ平均が0.93%安と2週続落し、S&P500が0.26%安、ナスダック総合が1.17%安とともに3週ぶりに反落した。エヌビディアを中心にAIラリーへの期待が続いたほか、欧州中央銀行(ECB)がインフレ率見通しを引き下げたことや、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が議会証言で利下げ開始のためのインフレ低下に対する確信はそう遠くないとしたことで世界的なインフレ鎮静化期待や、先行きの米利下げ期待が高まり、S&P500とナスダック総合は史上最高値の更新を続けたものの、週末に買われ過ぎが意識されたエヌビディアが上場来高値更新後に急反落したことでハイテク株を中心に利益確定売りが強まった。

 今週は先行きの利下げ見通しを巡り、米2月消費者物価指数(CPI)などのインフレ指標が焦点となりそうだ。3月19-20日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利の据え置きが見込まれているが、6月FOMCでは70%の確率で利下げ開始が予想されており、年内の利下げ見通しを巡り今週火曜日に発表される2月消費者物価指数(CPI)や木曜日に発表される2月生産者物価指数(PPI)に注目が集まる。先月13日に発表された1月CPIは予想を上回る強い結果となり、早期利下げ期待の後退につながった。米国株はAI関連株の上昇にけん引され史上最高値圏にあり、割高感も強まっている。CPIやPPIが高止まりし、利下げ後ずれ懸念が高まればハイテク株を中心に利益確定売りが強まることも警戒される。このほかの経済指標では木曜日に発表される2月小売売上高や金曜日発表の3月ミシガン大1年先・5年先期待インフレ率速報値にも要注目。決算発表は、今週はS&P500採用の8銘柄が発表予定で、主要なものはオラクル、ダラー・ツリー、レナー、アドビなど。

 今晩の米経済指標・イベントは2月雇用傾向指数など。企業決算は引け後にオラクルが発表予定。(執筆:3月11日、14:00)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。