週間為替展望(ポンド/加ドル)-ポンド、2月CPIやMPCと材料多し
◆日米の金融政策をまずは見定め
◆ポンド、2月CPIがMPCの決定に影響を与える可能性
◆加ドル、2月CPIに注視
予想レンジ
ポンド円 187.00-192.00円
加ドル円 107.50-111.50円
3月18日週の展望
金融市場にとって重要イベントが目白押しの週。ポンド、加ドルともにまずは、日米の金融政策を見定めながら対円・対ドルで動意付くことになるだろう。19日には日銀金融政策決定会合、20日(日本時間21日未明)に米連邦公開市場委員会(FOMC)が結果を公表する。
日本では、大企業を中心ではあるものの大幅な賃上げが相次いでいる。日銀がマイナス金利解除に踏み切りやすくなり、3月または4月会合で政策修正が決定されるとの見方が強まった。ただし、日銀が市場の混乱を望んでいないとすれば、金融正常化に転じても本邦金利が一方的に上昇することはないだろう。そのため円相場は、過度な期待による反動に気を付けたい。
FOMCは政策金利の据え置きが確実視されており、注目は当局者の政策金利見通しに変化がでるかどうか。年初からインフレが下げ渋っており、一部では年内の利下げ見通し回数が減る可能性も取り沙汰され始めた。内容次第では、ドル高基調が一気に強まることになるかもしれない。
英国では、金融政策委員会(MPC)が21日に結果を公表する。その前日、2月消費者物価指数(CPI)が発表予定だ。政策金利を決めるMPCメンバーの投票前であり、結果次第では投票行動に少なからず影響を与えるだろう。前回は前月比、前年比ともに予想比で下振れし、特に-0.6%まで低下した前月比の弱さが目立った。足もとの賃金データが想定より鈍化していたこともあり、インフレ減速が確認されるようだと英金利先安観が強まることになりそうだ。
前回2月の英MPC声明は、次の一手は利下げを意識させるものだった。今回はまだ政策金利は据え置かれるとの予想だが、声明で引き下げについて踏み込んだ内容が示されるかに注目したい。また、MPCメンバー9人による投票では、前回まで利上げを支持していた2人(ハスケル氏とマン氏)の動向に目を向けておく必要がある。
カナダからも2月CPIが明らかにされる。前回1月分は予想を下回り、前年比2.9%の上昇率と7カ月ぶりに3%を割り込んだ。カナダ中銀(BOC)は6日の会合後の声明で「2024年半ばまでは平均3%で推移し、その後徐々に緩和する」との見通しを示している。中銀は根底にあるインフレ圧力は持続しているとし、マックレムBOC総裁も「金利引き下げの検討は時期尚早」との考えだ。ただし、4月10日の次回会合に影響する指標でもあり、結果次第では金融政策に対する市場の思惑が揺らぎ、加ドルも神経質な動きとなりそうだ。
3月11日週の回顧
ポンド円は日銀の政策修正への思惑が高まるなか188円割れまで売りが先行。その後はドル円の反発に連れて189円半ばまで切り返した。ポンドドルは英賃金データの鈍化を背景に弱含んだ。米長期金利上昇も重しとなり1.27ドル前半まで下値を広げた。加ドルは対円では108円後半で下げ渋り、109円後半まで切り返した。対ドルでは原油高を受けて1.34加ドル半ばまで加ドル高に振れるも、米金利の上昇をきっかけに1.35加ドル台まで水準を戻した。(了)
◆ポンド、2月CPIがMPCの決定に影響を与える可能性
◆加ドル、2月CPIに注視
予想レンジ
ポンド円 187.00-192.00円
加ドル円 107.50-111.50円
3月18日週の展望
金融市場にとって重要イベントが目白押しの週。ポンド、加ドルともにまずは、日米の金融政策を見定めながら対円・対ドルで動意付くことになるだろう。19日には日銀金融政策決定会合、20日(日本時間21日未明)に米連邦公開市場委員会(FOMC)が結果を公表する。
日本では、大企業を中心ではあるものの大幅な賃上げが相次いでいる。日銀がマイナス金利解除に踏み切りやすくなり、3月または4月会合で政策修正が決定されるとの見方が強まった。ただし、日銀が市場の混乱を望んでいないとすれば、金融正常化に転じても本邦金利が一方的に上昇することはないだろう。そのため円相場は、過度な期待による反動に気を付けたい。
FOMCは政策金利の据え置きが確実視されており、注目は当局者の政策金利見通しに変化がでるかどうか。年初からインフレが下げ渋っており、一部では年内の利下げ見通し回数が減る可能性も取り沙汰され始めた。内容次第では、ドル高基調が一気に強まることになるかもしれない。
英国では、金融政策委員会(MPC)が21日に結果を公表する。その前日、2月消費者物価指数(CPI)が発表予定だ。政策金利を決めるMPCメンバーの投票前であり、結果次第では投票行動に少なからず影響を与えるだろう。前回は前月比、前年比ともに予想比で下振れし、特に-0.6%まで低下した前月比の弱さが目立った。足もとの賃金データが想定より鈍化していたこともあり、インフレ減速が確認されるようだと英金利先安観が強まることになりそうだ。
前回2月の英MPC声明は、次の一手は利下げを意識させるものだった。今回はまだ政策金利は据え置かれるとの予想だが、声明で引き下げについて踏み込んだ内容が示されるかに注目したい。また、MPCメンバー9人による投票では、前回まで利上げを支持していた2人(ハスケル氏とマン氏)の動向に目を向けておく必要がある。
カナダからも2月CPIが明らかにされる。前回1月分は予想を下回り、前年比2.9%の上昇率と7カ月ぶりに3%を割り込んだ。カナダ中銀(BOC)は6日の会合後の声明で「2024年半ばまでは平均3%で推移し、その後徐々に緩和する」との見通しを示している。中銀は根底にあるインフレ圧力は持続しているとし、マックレムBOC総裁も「金利引き下げの検討は時期尚早」との考えだ。ただし、4月10日の次回会合に影響する指標でもあり、結果次第では金融政策に対する市場の思惑が揺らぎ、加ドルも神経質な動きとなりそうだ。
3月11日週の回顧
ポンド円は日銀の政策修正への思惑が高まるなか188円割れまで売りが先行。その後はドル円の反発に連れて189円半ばまで切り返した。ポンドドルは英賃金データの鈍化を背景に弱含んだ。米長期金利上昇も重しとなり1.27ドル前半まで下値を広げた。加ドルは対円では108円後半で下げ渋り、109円後半まで切り返した。対ドルでは原油高を受けて1.34加ドル半ばまで加ドル高に振れるも、米金利の上昇をきっかけに1.35加ドル台まで水準を戻した。(了)