ニューヨーク外国為替市場概況・15日 ドル円、4日続伸

 15日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4日続伸。終値は149.04円と前営業日NY終値(148.33円)と比べて71銭程度のドル高水準だった。今週発表された米物価指標がインフレ圧力の根強さを示したことで、米利下げ先送り観測が高まる中、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.3182%前後まで上昇。日米金利差を意識した円売り・ドル買いが優勢となり、1時過ぎに一時149.17円と日通し高値を付けた。
 複数のメディアが「日銀が来週18-19日に開く金融政策決定会合でマイナス金利を解除する見通し」と報じたことで、日銀の政策修正観測は一段と強まったが、「政策修正は織り込み済み」との見方から円買いでの反応は限定的だった。「日銀はマイナス金利解除後も緩和的な金融環境を維持する」との思惑から円売りが出やすい面もあった。

 ユーロ円は反発。終値は162.31円と前営業日NY終値(161.42円)と比べて89銭程度のユーロ高水準。日銀がマイナス金利を解除するとの観測が一段と強まったものの、マイナス金利解除後も緩和的な金融環境が維持されるとの思惑が円売りを誘った。1時過ぎに一時162.40円と本日高値を更新した。
 ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時190.03円、豪ドル円は97.97円、カナダドル円は110.30円、スイスフラン円は168.83円まで値を上げたほか、メキシコペソ円は8.93円と2008年10月以来の高値を更新した。

 ユーロドルは小反発。終値は1.0889ドルと前営業日NY終値(1.0883ドル)と比べて0.0006ドル程度のユーロ高水準だった。欧州時間に一時1.0900ドルと日通し高値を付けたものの、NY時間に入ると徐々に上値を切り下げた。米連邦準備理事会(FRB)による利下げ開始が後ずれするとの観測が強まる中、米長期金利が上昇しユーロ売り・ドル買いを誘った。1時前には1.0881ドル付近まで下押しした。
 もっとも、今日の安値はアジア時間に付けた1.0873ドルで値幅は0.0027ドル程度と小さかった。

本日の参考レンジ
ドル円:148.04円 - 149.17円
ユーロドル:1.0873ドル - 1.0900ドル
ユーロ円:161.07円 - 162.40円

(中村)
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