東京為替見通し=ドル円、152円をうかがう展開が続く公算

 8日のニューヨーク外国為替市場で、ドル円は米利下げ開始時期が後ずれするとの観測が高まる中、米10年債利回りの上昇に伴い151.94円まで上昇。その後は本邦の介入警戒感が根強い中ではあったが、下押しも151.70円台に留まるなど、高値もみ合いとなった。ユーロドルは、米長期金利をながめて1.0821ドルまで下押し後に1.0862ドルまで切り返した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、米長期金利をにらみつつ、152円の大台を前に方向感を探る動きが予想される。

 足元では、日米金利差を背景としてドル買い・円売りの流れとなりやすい。本邦の中・長期金利がどんどん上がる状況にない以上、米長期金利が上昇する場面ではドル円にも上昇圧力が掛かりやすいとみる。また、前週末にイスラエルがパレスチナ自治区ガザ南部の都市ハーンユニスから軍隊を撤退させたことで、中東情勢を巡る緊張が緩和してリスク回避ムードがやや後退していることも、ドル円の買いやすさにつながっている。日足チャートでは、2日連続で陽線引けとなっているほか、下値が切り上がっている。これらを合わせ、本日も引き続き152円台乗せを試す流れが続く公算である。同水準にはオプションバリアが観測されているほか、152円台は1990年7月以来の高値水準ということもあり、もし152円台に乗せた場合は次の目標値を手探りしつつ上値を試す展開が予想される。

 もし、本邦金融当局者から強い円安けん制の言葉が伝わった場合、直後のドル円相場には下落圧力がかかりやすいとみる。とはいえ、3月27日に年初来高値151.97円を付けた後で鈴木財務相から強い口調での円安けん制が伝わったが、下押しは40銭弱にとどまっている。昨日の下押しも151.57円までと、既に151円台半ばが底堅い印象を受ける中、口先介入だけでは単に押し目を作るだけの結果となりかねない。とはいえ、万一実弾介入となった場合、直近の2022年9・10月のケースで、それぞれ5円超の下落となった点には留意したい。そのほか引き続き、中東情勢には注意が必要だろう。

(川畑)
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