欧州マーケットダイジェスト・9日 株安・金利低下・原油安・円高

(9日終値:10日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=151.69円(9日15時時点比▲0.20円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.60円(▲0.32円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0851ドル(▲0.0007ドル)
FTSE100種総合株価指数:7934.79(前営業日比▲8.68)
ドイツ株式指数(DAX):18076.69(▲242.28)
10年物英国債利回り:4.029%(▲0.056%)
10年物独国債利回り:2.371%(▲0.064%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
2月仏貿易収支       52.44億ユーロの赤字 72.13億ユーロの赤字・改
2月仏経常収支         9億ユーロの黒字  5億ユーロの赤字・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円はさえない値動き。日本時間夕刻に一時151.93円と日通し高値を付けたものの、政府・日銀による為替介入への警戒感が根強い中、前日の高値151.94円や3月27日に付けた34年ぶりの高値151.97円がレジスタンスとして意識されると失速した。「日銀は今月25-26日に開く金融政策決定会合で、2024年度の物価見通しの上方修正を議論する公算が大きい」との一部報道も円買い・ドル売りを促した。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.35%台まで低下したことも相場の重しとなり、23時30分過ぎには一時151.57円と日通し安値を更新した。
 ただ、前日の安値151.57円が目先サポートとして働くと下げ渋った。3月米消費者物価指数(CPI)の発表を明日に控えて、やや神経質な値動きとなった。

・ユーロドルは上値が重かった。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが優勢になると22時30分過ぎに一時1.0885ドルと日通し高値を付けたものの、ユーロ円の急落をきっかけにユーロ売り・ドル買いが出ると1.0850ドル付近まで押し戻された。

・ユーロ円は一転下落。ユーロドルの上昇につれた買いが入ると22時前に一時165.17円と日通し高値を付けたものの、3月20日に付けた2008年以来の高値165.35円がレジスタンスとして働くと一転売りが優勢に。欧州株相場の下落や米国株相場の失速を背景にリスク回避の円買いも入り、24時前に一時164.55円と日通し安値を更新した。

・メキシコペソ円は欧州序盤に一時9.34円と2008年10月以来の高値を付けたものの、そのあとは一転売りが優勢となった。欧米株価の下落を背景にリスク・オフの円買いが入ったほか、原油価格の下落が相場の重しとなり一時9.24円と日通し安値を付けた。

・ロンドン株式相場は小反落。他の欧州株相場や米国株相場の下落を受けて売りが出たものの、下値は限定的だった。コモディティ価格の上昇を背景にリオ・ティントやグレンコアなど素材株が買われたほか、BPやシェルなどエネルギー株が値上がりし相場を下支えした。

・フランクフルト株式相場は反落。3月米CPIの発表を明日に控えて米国株相場が軟調に推移すると、独株にも売りが波及した。個別ではラインメタル(6.89%安)やダイムラー・トラック・ホールディング(4.01%安)、エアバス(3.47%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は上昇。米物価指標や欧州中央銀行(ECB)定例理事会など重要イベントを控える中、持ち高調整目的の買いが入った。

(中村)
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