ニューヨーク外国為替市場概況・24時 ドル円、底堅い

 11日のニューヨーク外国為替市場でドル円は底堅い動き。24時時点では153.26円と22時時点(152.83円)と比べて43銭程度のドル高水準だった。3月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回ったことが分かると米長期金利の低下とともにドル売りが先行。22時前に一時152.80円付近まで下押しした。
 ただ、アジア時間に付けた日通し安値152.76円が目先サポートとして働くとじりじりと下値を切り上げる展開に。米長期金利が上昇に転じたことも相場の支援材料となり、23時30分過ぎに153.30円と1990年6月以来約34年ぶりの高値を更新した。市場では「米国の利下げ開始が先延ばしになるとの観測は根強い」との声が聞かれた。
 なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.5886%前後と昨年11月14日以来の高水準を記録した。

 ユーロドルは頭が重い。24時時点では1.0705ドルと22時時点(1.0742ドル)と比べて0.0037ドル程度のユーロ安水準だった。米PPIの下振れを受けて一時1.0757ドルと日通し高値を付けたものの、米利下げ開始時期が後ずれするとの観測が根強い中、ドル売りの勢いは長続きしなかった。米長期金利が上昇に転じると全般ドル買いが優勢となり、一時1.0699ドルの日通し安値まで押し戻された。
 なお、欧州中央銀行(ECB)は「インフレが持続的に収まるとの確信を得られれば、金利引き下げが適切になる」と表明し、今後の利下げ転換を示唆した一方、「今後の政策金利の水準はデータ次第」「特定の金利軌道を事前に確約しない」と説明した。また、ラガルドECB総裁は理事会後の会見で「データを得るまで政策に関していかなる路線にもコミットすることはできない」「ディスインフレが継続すれば、金利の道筋に反映させる」などと話した。

 ユーロ円は戻りが鈍い。24時時点では164.07円と22時時点(164.17円)と比べて10銭程度のユーロ安水準。ドル円の上昇につれた買いが入った半面、ユーロドルの失速に伴う売りが出た。

本日これまでの参考レンジ
ドル円:152.76円 - 153.30円
ユーロドル:1.0699ドル - 1.0757ドル
ユーロ円:163.95円 - 164.70円

(中村)
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