NY為替見通し=2日目の米中通商協議に関するヘッドラインに要警戒か

 本日のNY為替市場のドル円は、昨日からロンドンで開催され、本日2日目となる米中閣僚級通商協議に関するヘッドライン、そして、トランプ米大統領の突発的な発言に警戒していく展開が予想される。

 昨日からロンドンで開催されている米中通商協議には、米国からベッセント財務長官、ラトニック商務長官、グリア通商代表部(USTR)代表が出席し、中国側は何立峰副首相、王文濤商務相、李成鋼通商交渉官らが参加している。
 
 何立峰副首相は、13日までロンドンに滞在予定とのことで、協議が本日以降も長引く可能性が高まりつつある。

 ハセット米国家経済会議(NEC)委員長は、米国はレアアース問題で中国と合意することを望んでいる、と述べ、トランプ米大統領は「ロンドンから良好な報告を受けている」と、中国とはうまくやっているとしながらも、容易な相手ではないとも述べており、さらに「近く協議に加わる予定」とのことで、本日も関連ヘッドラインを注視していくことになる。

 米中両国は5月10-11日にスイスのジュネーブで行われた通商協議で貿易戦争の緩和に向けて90日間(※8月12日)の停戦合意に至ったものの、その後互いに相手方が合意条件に違反していると非難し合い、関係は悪化していた。
 今回、中国側はレアアースの輸出、米国側は半導体や航空機関連の技術輸出を譲歩材料として提示している模様だが、もし、米中貿易摩擦が緩和されるような貿易協定が締結された場合、ドル円は5月12日に148.65円まで上昇したように、IMM通貨先物の円の買い持ちポジションの手仕舞いを促す可能性が高まることになる。

 しかしながら、今週末予定されている第6回日米通商協議での決着が見えないことや、「不確実性(uncertainty)」が払拭されることは、米連邦公開市場委員会(FOMC)による早期利下げを促す可能性があることで、ドル円の戻しは限定的なのかもしれない。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、145.60円(日足一目均衡表・雲の上限)

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、143.98円 (6/9 安値)


(山下)
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