NYマーケットダイジェスト・18日 株まちまち・金利上昇・ドル高

(18日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.64円(前営業日比△0.25円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.59円(▲0.18円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0643ドル(▲0.0030ドル)
ダウ工業株30種平均:37775.38ドル(△22.07ドル)
ナスダック総合株価指数:15601.50(▲81.87)
10年物米国債利回り:4.63%(△0.05%)
WTI原油先物5月限:1バレル=82.73ドル(△0.04ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=2398.0ドル(△9.6ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
4月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
                   15.5        3.2
前週分の米新規失業保険申請件数   21.2万件    21.2万件・改
3月米景気先行指標総合指数(前月比) ▲0.3%     0.2%・改
3月米中古住宅販売件数
前月比                ▲4.3%      9.5%
年率換算件数             419万件     438万件

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は反発。4月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数が予想を大きく上回ったことが伝わると全般ドル買いが先行。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.65%台まで上昇したことも相場の支援材料となり、2時30分過ぎに一時154.68円と日通し高値を更新した。ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が「利下げの緊急性は感じていない」「利上げは私の基本的な予想ではないが、データが要求するなら米連邦準備理事会(FRB)は利上げするだろう」と述べたこともドル買いを誘った。
 また、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するボスティック米アトランタ連銀総裁は「米国のインフレは高すぎる」「2%へのインフレ低下の道のりは緩慢で険しい」「年末に近づくまで利下げに踏み切ることは適切ではない」などと話した。
 ただ、政府・日銀による為替介入への警戒感が高まる中、前日の高値154.73円が目先レジスタンスとして意識されると上昇は一服した。市場では「16日に付けた34年ぶりの高値154.79円や大量のノックアウトオプションが観測されている155.00円がレジスタンスとして意識される」との声も聞かれた。

・ユーロドルは反落。欧州中央銀行(ECB)が6月にも利下げに動くとの見方が強まる一方、FRBによる利下げ開始は想定より後にずれるとの観測が高まっており、欧米の金利差拡大への思惑からユーロ売り・ドル買いが出やすかった。3時30分過ぎには一時1.0642ドルと日通し安値を更新した。

・ユーロ円は4日ぶりに反落。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は方向感が出なかった。23時過ぎには164.55円付近まで下押ししたものの、0時30分前には164.86円付近まで持ち直した。ただ、そのあとは164.52円付近まで再び弱含んだ。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は小反発。ユナイテッドヘルス・グループやトラベラーズなどのディフェンシブ株が買われ、相場を下支えした。半面、米利下げ開始が遅れるとの見方が引き続き相場の重しとなり、指数は下げに転じる場面もあった。米長期金利の上昇が嫌気されてセールスフォースやマイクロソフトなどハイテク株に売りが出た。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は5日続落し、2月21日以来の安値で取引を終えた。アナリストが投資判断を引き下げた電気自動車(EV)のテスラが3%超下げた。

・米国債券相場で長期ゾーンは反落。FRB高官からタカ派的な発言が相次ぐと、米利下げ開始が先延ばしになるとの観測が一段と強まり売りが広がった。

・原油先物相場はもみ合い。米国が、「イスラエルへの攻撃を理由にイラン制裁へ」との報道が中東リスクを意識した買いを促した。ただ、中東地域の供給にどの程度影響を及ぼすか判断しにくい面もある。米金利上昇によるドル高も、ドル建て原油相場の換算値押し下げに働き、上下とも方向感が出にくかった。

・金先物相場は反発。米国が、イスラエルへの攻撃を理由にイランへ新たに制裁を課すとの報道が中東リスクの継続を意識させ、リスク回避資産とされる金は底堅く推移した。一方、米金利が上昇したため、金利が付かない資産である金の上値を重くした感もあった。

(中村)
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