欧州マーケットダイジェスト・23日 株高・ドル安・円安

(23日終値:24日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.75円(23日15時時点比▲0.01円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=165.65円(△0.81円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0705ドル(△0.0054ドル)
FTSE100種総合株価指数:8044.81(前営業日比△20.94)
ドイツ株式指数(DAX):18137.65(△276.85)
10年物英国債利回り:4.241%(△0.036%)
10年物独国債利回り:2.502%(△0.016%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)       <発表値>    <前回発表値>
4月仏製造業PMI速報値        44.9        46.2
4月仏サービス部門PMI速報値     50.5        48.3
4月独製造業PMI速報値        42.2        41.9
4月独サービス部門PMI速報値     53.3        50.1
4月ユーロ圏製造業PMI速報値     45.6        46.1
4月ユーロ圏サービス部門PMI速報値  52.9        51.5
4月英製造業PMI速報値        48.7        50.3
4月英サービス部門PMI速報値     54.9        53.1

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは上昇。4月の仏・独製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は予想を下回ったものの、サービス部門PMI速報値が予想を大幅に上回る結果となったため、ユーロ買い・ドル売りが先行した。NY時間に入り、4月米製造業・サービス部門PMI速報値が予想を下回ったことが伝わると、米長期金利の低下とともに全般ドル売りが活発化。23時30分過ぎに一時1.0711ドルと日通し高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時105.61まで低下した。
 なお、デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁はこの日、「サプライズがなければ、6月ECB理事会での利下げはほぼ確実」と述べた一方、ナーゲル独連銀総裁は「6月の利下げを確約する前にデータを確認したい」などと語った。

・ドル円は伸び悩み。中東情勢を巡る警戒感が和らぐ中、欧米株価の上昇を背景に投資家のリスク志向が改善すると円売り・ドル買いが先行。米長期金利の上昇に伴うドル買いも入り、22時30分過ぎに一時154.88円と1990年6月以来約34年ぶりの高値を更新した。
 ただ、米PMI速報値の下振れをきっかけに米長期金利が低下に転じるとドル円にも売りが波及。米2年債入札後に米金利が低下幅を広げると全般ドル売りが優勢となり、一時154.56円と日通し安値を付けた。日経新聞が「日銀は25-26日に開く金融政策決定会合で円安加速の影響を議論する」と報じたことも相場の重しとなった。

・ユーロ円は底堅い動き。ユーロドルと同様に、仏・独サービス部門PMI速報値の上振れを材料に買いが先行。中東情勢を巡る警戒感が和らぐ中、欧米株価の上昇を背景にリスク・オンの円売りも出て、23時30分過ぎに一時165.74円と2008年8月以来の高値を更新した。

・オセアニア通貨は堅調だった。ダウ平均が一時320ドル超上昇するなど、米株式相場が底堅く推移するとリスクセンチメントに敏感なオセアニア通貨に買いが集まった。豪ドル米ドルは0.6490米ドル、NZドル米ドルは0.5948米ドルまで上げたほか、豪ドル円は100.41円、NZドル円は92.01円と日通し高値を更新した。

・ロンドン株式相場は5日続伸し、史上最高値を更新した。中東情勢悪化への警戒が和らいだことで前日の米国株や本日の日本株相場が上昇すると英株にも買いが波及した。ただ、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られ、相場の上値を抑えた。足もとで相場上昇が続いたあとだけに、利益確定目的の売りも出やすかった。

・フランクフルト株式相場は大幅続伸。中東情勢を巡る警戒感が和らいだうえ、米国株相場が堅調に推移すると投資家心理が改善し買いが広がった。ECBの利下げ開始時期が近づいているとの見方が一段と強まったことも相場の支援材料。個別ではザルトリウス(6.77%高)やSAP(5.27%高)、メルク(4.03%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は下落。株高を受けた。

(中村)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。