ロンドン為替見通し=ユーロ、対円主導で強さ継続するか 指標は独Ifo

 本日のロンドン為替市場でユーロは、対円主導の強さが継続するか注目したい。昨日発表された欧州の4月購買担当者景気指数(PMI)では、製造業はさえなかったもののサービス部門が総じて強い結果だった。PMIをきっかけに上昇したユーロ円は本日も165.80円台まで年初来高値を更新し、ユーロドルが1.07ドル前半まで上昇している。ここからはまず、欧州金融当局者が足もとの景況感についてどのような見解を示すかを確認したい。

 本日はデコス・スペイン中銀総裁やナーゲル独連銀総裁、またビルロワドガロー仏中銀総裁とチポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事の講演が欧州前半に予定されている。独連銀総裁は昨日も発言しており、強まる利下げ観測に釘を刺した。本日も同じようなタカ派的なスタンスを取ると思われる。他のECB理事会メンバーについては、特にスペイン・仏の中銀総裁は弱い製造業PMIのほうに焦点を当ててくるかもしれない。

 なお昨日は、デギンドスECB副総裁が「インフレとの戦いは終わりつつある」と言及。サプライズなければと前置きしたものの「6月ECB理事会での利下げはほぼ確実」との見通しを示した。

 米経済指標が予想より弱かったことも後押しにユーロドルは昨日、今月レンジ(9日1.0885ドル-16日1.0601ドル)の下値から38.2%戻しを達成。米利下げ開始時期の後ずれには変りないものの、26日の3月米PCEデフレーターを確認したい向きも多くなってきており、暫くは今月の半値・1.0743ドルを意識した動きとなるかもしれない。

 経済指標は日本時間17時に4月独Ifo企業景況感指数が発表予定。予想は前回から1ポイント上回る88.8とされ、見込み通りであれば3カ月連続の改善であり、昨年5月以来の高い水準でもある。前回は予想比上振れたものの、梯子を外されることも多々ある指標のため、結果をまずは確かめてからの取引が良いだろう。

想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.0772ドル
・ユーロ円、ピボット・レジスタンス2の166.47円

想定レンジ下限
・ユーロドル、23日安値1.0639ドル
・ユーロ円、23日安値164.63円


(小針)
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