NY為替見通し=ドル円、米指標次第で介入警戒しつつ上値を試す動きが続くか

 ドル円は堅調。昨日に日本当局の円買い介入警戒ラインとされた155円大台を突破し、買い安心感が広がるなか、155.74円まで34年ぶりの高値を更新した。

 本日のNYタイムでは米1-3月期GDP速報値や同個人消費・コアPCE、前週分新規失業保険申請件数など注目の米経済指標の発表と米7年債入札が予定されている。米1-3月期GDP速報値は前期比で前回の+3.4%から+2.4%に、同個人消費は前回の+3.3%から+3.0%に伸びの鈍化が見込まれる一方で、コアPCEは前回の+2.0%から+3.4%への大幅の上昇が予想されている。米経済の強さが示される結果となれば、米長期金利の上昇に伴いドル高が進み、ドル円は日本当局の円買い介入を警戒しつつも上値を試す動きが続きそうだ。

 米経済指標が好調な結果になっても、介入警戒感と明日に日銀の金融政策決定会合を控えていることでドル円の大幅な上昇は見込めないが、米指標が弱い結果となっても予想と大きく乖離しない限り、ドル高・円安のトレンドが続くとの見方が強いなかドル円の底堅い動きが続きそうだ。もっとも日本当局が実弾の介入に踏み切っても「絶好の買い場」とみている市場参加者が多く、押し目には依然として買いが入りやすい。

 明日の日銀の金融政策決定会合では金融政策の据え置きと大きなサプライズはないと見込まれているが、新たな物価見通しなどを示す「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」での物価見通し引き上げ観測が広がっている。円安が止まらない現状について、声明や植田日銀総裁が言及するかどうかが注目されそうだ。

・想定レンジ上限
 ドル円は1990年6月25日高値155.87円、同5月11日高値156.98円が上値めど。

・想定レンジ下限
 ドル円は節目の155.00円や昨日の安値154.73円が下値めど。

(金)
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