NYマーケットダイジェスト・30日 株安・金利上昇・ドル高

(30日終値)
ドル・円相場:1ドル=157.80円(前営業日比△1.45円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=168.22円(△0.62円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0666ドル(▲0.0055ドル)
ダウ工業株30種平均:37815.92ドル(▲570.17ドル)
ナスダック総合株価指数:15657.82(▲325.26)
10年物米国債利回り:4.68%(△0.07%)
WTI原油先物6月限:1バレル=81.93ドル(▲0.70ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=2302.9ドル(▲54.8ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
1-3月期米雇用コスト指数
前期比                 1.2%      0.9%
2月米住宅価格指数(前月比)      1.2%      ▲0.1%
2月米ケース・シラー住宅価格指数
前年比                 7.3%      6.6%
4月米シカゴ購買部協会景気指数     37.9       41.4
4月米消費者信頼感指数          97.0     103.1・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は反発。1-3月期米雇用コスト指数が予想を上回ったことが分かると、賃金インフレ圧力の根強さが意識され、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始時期が遅れるとの観測が一段と強まった。米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢になると、5時30分過ぎに一時157.85円と日通し高値を更新した。月末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローも観測された。
 ただ、前日には政府・日銀による為替介入と見られる急激な円高・ドル安局面があっただけに、上昇のスピードは比較的緩やかだった。なお、日銀が公表した明日の当座預金増減要因の予想値は市場推計値と5.5兆円ほど乖離しており、市場では29日に同程度(約5.5兆円)の円買い介入があったとの観測が強まっている。

・ユーロドルは反落。欧州市場では1-3月期ユーロ圏域内総生産(GDP)速報値や4月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)コア速報値が予想を上回ったことを手掛かりに一時1.0735ドルまで上昇する場面もあったが、NY市場に入ると軟調な展開となった。米雇用コスト指数の上振れをきっかけに全般ドル買いが入ったほか、月末のロンドン・フィキシングに絡んだドル買いのフローも観測され、一時本日安値となる1.0665ドルまで値を下げた。
 主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時106.33まで上昇した。

・ユーロ円は反発。予想を上回るユーロ圏GDP速報値を受けてユーロ買いが先行したあとは、ドル円の上昇につれた買いが入った。22時30分過ぎには一時168.60円と日通し高値を更新した。ただ、そのあとはユーロドルの下落につれた売りが出たため、伸び悩んだ。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落。1-3月期米雇用コスト指数が予想を上回ったことが伝わると米利下げ開始時期が後ずれするとの観測が一段と高まり株売りが広がった。米長期金利が上昇し、株式の相対的な割高感が意識されたことも相場の重し。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日ぶりに反落。前日に急伸したテスラが5%超下落した。

・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反落。1-3月期米雇用コスト指数が予想を上回ったことが伝わると、米利下げ開始が先延ばしになるとの観測が一段と強まり売りが広がった。

・原油先物相場は続落。中東情勢に対する過度な緊張感が後退しているほか、1-3月期米雇用コスト指数を受けた米国の利下げ先送り観測の強まりを背景としたドル買いの流れが、ドル建てで取引される原油相場の重しとなった。

・金先物相場は4日ぶりに大幅反落となった。米長期金利が上昇する中、金利のつかない資産である金の先物の投資妙味が薄れたとの見方から売りが優勢となった。

(中村)
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