ニューヨーク外国為替市場概況・16日 ドル円、反発

 16日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。終値は155.39円と前営業日NY終値(154.88円)と比べて51銭程度のドル高水準だった。東京市場では一時153.60円まで値を下げたものの、海外市場では買い戻しが優勢となった。この日発表の5月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や4月米住宅着工件数、前週分の米新規失業保険申請件数は予想より弱い内容となったものの、4月米輸入物価指数が予想を上回るとドルを買い戻す動きが先行。米長期金利が上昇に転じたことも相場の支援材料となり、23時前に一時155.53円と日通し高値を更新した。政府・日銀による為替介入への警戒が後退する中、日米金利差を背景にした円売り・ドル買いが出やすい面もあった。その後の下押しも155.17円付近にとどまった。

 ユーロドルは4営業日ぶりに反落。終値は1.0867ドルと前営業日NY終値(1.0884ドル)と比べて0.0017ドル程度のユーロ安水準だった。前日の4月米消費者物価指数(CPI)の結果を受けて米インフレが再加速するとの懸念は薄れているものの、この日は米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出た。23時過ぎには一時1.0854ドルと日通し安値を更新した。そのあとは1.0876ドル付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは限定的だった。
 なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するバーキン米リッチモンド連銀総裁は「CPIはまだ米連邦準備理事会(FRB)が目指す目標には達していない」「我々は正しい道を進んでいるものの、もう少し時間がかかりそうだ」などと述べたほか、メスター米クリーブランド連銀総裁は「政策金利を現在の水準で維持することが、なお高水準で推移するインフレ率を目標の2%に戻すことにつながる」などと話した。

 ユーロ円は反発。終値は168.87円と前営業日NY終値(168.58円)と比べて29銭程度のユーロ高水準。ドル円と同様にアジア時間には167.33円まで売られたものの、欧米市場では買い戻しが優勢となり、一時168.91円まで値を上げた。
 ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時196.92円、豪ドル円は103.82円、NZドル円は95.14円、カナダドル円は114.15円、スイスフラン円は171.77円、メキシコペソ円は9.33円まで値を上げた。

本日の参考レンジ
ドル円:153.60円 - 155.53円
ユーロドル:1.0854ドル - 1.0895ドル
ユーロ円:167.33円 - 168.91円

(中村)
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