NYマーケットダイジェスト・16日 株反落・金利上昇・ドル高・円安

(16日終値)
ドル・円相場:1ドル=155.39円(前営業日比△0.51円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=168.87円(△0.29円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0867ドル(▲0.0017ドル)
ダウ工業株30種平均:39869.38ドル(▲38.62ドル)
ナスダック総合株価指数:16698.32(▲44.07)
10年物米国債利回り:4.37%(△0.03%)
WTI原油先物6月限:1バレル=79.23ドル(△0.60ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=2385.5ドル(▲9.4ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
4月米住宅着工件数         136.0万件    128.7万件・改
   建設許可件数         144.0万件    148.5万件・改
5月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
                   4.5        15.5
前週分の米新規失業保険申請件数   22.2万件    23.2万件・改
4月米輸入物価指数(前月比)     0.9%      0.6%・改
4月米鉱工業生産(前月比)       0.0%      0.1%・改
設備稼働率              78.4%      78.5%・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は反発。東京市場では一時153.60円まで値を下げたものの、海外市場では買い戻しが優勢となった。この日発表の5月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や4月米住宅着工件数、前週分の米新規失業保険申請件数は予想より弱い内容となったものの、4月米輸入物価指数が予想を上回るとドルを買い戻す動きが先行。米長期金利が上昇に転じたことも相場の支援材料となり、23時前に一時155.53円と日通し高値を更新した。政府・日銀による為替介入への警戒が後退する中、日米金利差を背景にした円売り・ドル買いが出やすい面もあった。その後の下押しも155.17円付近にとどまった。

・ユーロドルは4営業日ぶりに反落。前日の4月米消費者物価指数(CPI)の結果を受けて米インフレが再加速するとの懸念は薄れているものの、この日は米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出た。23時過ぎには一時1.0854ドルと日通し安値を更新した。そのあとは1.0876ドル付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは限定的だった。
 なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するバーキン米リッチモンド連銀総裁は「CPIはまだ米連邦準備理事会(FRB)が目指す目標には達していない」「我々は正しい道を進んでいるものの、もう少し時間がかかりそうだ」などと述べたほか、メスター米クリーブランド連銀総裁は「政策金利を現在の水準で維持することが、なお高水準で推移するインフレ率を目標の2%に戻すことにつながる」などと話した。

・ユーロ円は反発。ドル円と同様にアジア時間には167.33円まで売られたものの、欧米市場では買い戻しが優勢となり、一時168.91円まで値を上げた。
 ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時196.92円、豪ドル円は103.82円、NZドル円は95.14円、カナダドル円は114.15円、スイスフラン円は171.77円、メキシコペソ円は9.33円まで値を上げた。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落。買い先行で始まると初の4万ドル台乗せを達成したものの、短期的な相場の過熱感が意識されると徐々に持ち高調整目的の売りに押された。米長期金利の上昇も相場の重しとなった。市場では「心理的節目の4万ドル近辺では利食い売りなどが出やすかった」との声が聞かれた。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日ぶりに反落。連日で史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが出た。

・米国債券相場で長期ゾーンは4日ぶりに反落。足もとで相場上昇が続いたあとだけに持ち高調整目的の売りが出た。FRB高官らが早期利下げに慎重な見方を示したことも相場の重し。

・原油先物相場は続伸。イスラエルとイスラム組織ハマスの休戦交渉が行き詰まり、中東の地政学リスクへの警戒感を背景に堅調な動きとなった。ただ、前日に国際エネルギー機関(IEA)が需要見通しを下方修正し需要減退懸念が上値を圧迫し伸び悩んだ。

・金先物相場は3日ぶりに反落。為替相場でややドル買いが優勢になったことや、米長期金利が上昇したことを手がかりにドル建ての金は上値の重い動きとなった。

(中村)
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