ロンドン為替見通し=ユーロドルのレンジが下がるか、ラガルド・イエレン会談に要注目

 ユーロドルは今月15日に1.0886ドルまで上昇し、それまでの1.07ドル前半から後半のレンジが上方へシフトしたような動きになった。しかしながら、16日付けた1.0895ドルを頭に連日上値トライが失敗しており、昨日は1.0805ドルまで弱含んでいる。米金利が上昇したことで上値を抑えた面もあるが、欧米中銀の政策金利の方向性は、やはり欧州が早期の利下げ期待、米国は相次ぎ米連邦準備理事会(FRB)高官がインフレ低下と早期利下げへ慎重姿勢となる発言を繰り返したことで、当面据え置きとなっている。よって、ユーロ売り・ドル買いの潜在需要は高そうだ。

 本日は欧州圏からの経済指標は、1-3月期独GDP改定値と5月仏企業景況感指数が発表される程度で、両指標とも大きく市場を動意づけるのは難しいだろう。また、欧州中央銀行(ECB)高官からは複数の講演が予定されていることで、発言内容次第でユーロ相場が動意づく可能性もありそうだ。ただし、それらの講演よりも注目するべきなのが、先ほど決定したラガルドECB総裁とイエレン米財務長官の会談。日本時間21時15分に予定されている会談だが、ECB総裁はECBの利下げ期待が高まっている中で、FRBの利下げサイクルとのずれを警戒しているとも伝わっている。会談後のECB総裁のコメントなどには目を向けておきたい。

・想定レンジ上限
 ユーロドル:16日高値1.0895ドル

・想定レンジ下限
 ユーロドル:日足一目均衡表・基準線1.0753ドル


(松井)
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