NYマーケットダイジェスト・4日 ダウ最高値・金利上昇・ドル高・円安

(4日終値)
ドル・円相場:1ドル=148.70円(前営業日比△1.77円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.26円(△1.17円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0974ドル(▲0.0057ドル)
ダウ工業株30種平均:42352.75ドル(△341.16ドル)
ナスダック総合株価指数:18137.85(△219.38)
10年物米国債利回り:3.97%(△0.13%)
WTI原油先物11月限:1バレル=74.38ドル(△0.67ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2667.8ドル(▲11.4ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
9月米雇用統計
失業率     4.1%       4.2%
非農業部門雇用者数変化
       25.4万人    15.9万人・改
平均時給
(前月比)   0.4%      0.5%・改
(前年比)   4.0%      3.9%・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は3日続伸。米労働省が発表した9月米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比25.4万人増と予想の14.0万人増を上回り、失業率が4.1%と予想の4.2%よりも強い結果となったことが分かると、市場では米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが想定より遅くなるとの見方が強まった。米長期金利の急上昇とともに円売り・ドル買いが広がると、1時30分過ぎに一時149.00円と約1カ月半ぶりの高値を付けた。
 グールズビー米シカゴ連銀総裁は米雇用統計の結果について「素晴らしい」と評価したうえで、「こうした報告がさらに続けば、米経済が完全雇用と低インフレの状態にあるとの自信が高まる」との見方を示した。
 なお、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、11月6-7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%の利下げを予想する確率は前日の32.1%から0%になり、0.25%の利下げが97.0%、据え置きが3.0%となった。

・ユーロドルは6日続落。米重要指標の発表を控えて、しばらくは1.10ドル台前半でのもみ合いが続いていたが、米雇用統計の上振れをきっかけに米大幅利下げ観測が後退すると、全般ドル買いが活発化した。1時30分過ぎには1.0951ドルと8月15日以来約1カ月半ぶりの安値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスも一時102.69と8月16日以来の高値を付けた。
 なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時3.9827%前後と8月9日以来およそ2カ月ぶりの高水準を記録した。

・ユーロ円は3日続伸。ドル円の上昇につれた買いが入ったほか、株高が相場の支援材料となり、4時30分過ぎに一時163.37円と日通し高値を更新した。
 なお、ダウ平均は340ドル超上昇し史上最高値を更新。ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比1080円高の3万9640円まで上昇する場面があった。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、史上最高値を更新した。米国の港湾ストライキが終了したうえ、9月米雇用統計が良好な内容だったことが伝わると、投資家心理が楽観に傾いた。主力株中心に買いが集まると、引けにかけて上値を伸ばした。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反発した。

・米国債券相場で長期ゾーンは大幅に3日続落。堅調な米雇用統計を受けて、米景気の底堅さが意識される中、債券売りが優勢となった。利回りは一時3.9827%前後と8月9日以来およそ2カ月ぶりの高水準を付けた。

・原油先物相場は4日続伸。イランとイスラエルを巡る中東情勢の緊迫化で75ドル半ばまで一時原油先物は上昇した。しかし、原油市場引け前にバイデン米大統領が記者会見で「イスラエルは油田攻撃以外の選択肢を検討するべきだ」と発言すると、上げ幅を大幅に縮小して引けた。

・金先物相場は反落。前日引け値水準でもみ合っていた金先物だったが、9月の米雇用統計が市場予想よりも強い結果となる米中長期金利の上昇とともにドルが大幅高となった。ドルで取引される金先物は、ドル高による割高感を嫌気し反落して引けた。

(中村)
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