NYマーケットダイジェスト・3日 原油急騰・株安・金利上昇・ドル高

(3日終値)
ドル・円相場:1ドル=146.93円(前営業日比△0.46円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.09円(△0.33円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1031ドル(▲0.0014ドル)
ダウ工業株30種平均:42011.59ドル(▲184.93ドル)
ナスダック総合株価指数:17918.48(▲6.64)
10年物米国債利回り:3.84%(△0.06%)
WTI原油先物11月限:1バレル=73.71ドル(△3.61ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=2679.2ドル(△9.5ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
9月米企業の人員削減数
(前年比)   53.4%      1.0%
前週分の米新規失業保険申請件数
       22.5万件    21.9万件・改
9月米サービス部門PMI改定値
         55.2       55.4
9月米総合PMI改定値
         54.0       54.4
9月米ISM非製造業指数
         54.9       51.5
8月米製造業新規受注
(前月比)   ▲0.2%     4.9%・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は続伸。9月米ISM非製造業景況指数が54.9と予想の51.7を上回ったことが分かると円売り・ドル買いが先行。23時過ぎに一時147.18円付近まで値を上げた。ただ、アジア時間に付けた日通し高値147.24円が目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。ISM非製造業の雇用指数が弱かったことや、中東情勢が一段と悪化するとの懸念も相場の重し。
 もっとも、NY市場では大きな方向感が出にくい面もあった。イランによるミサイル攻撃を受けたイスラエルは近く報復するとの見方があり、中東情勢が緊迫している。バイデン米大統領はこの日、イスラエルが報復としてイランの石油施設を攻撃することを支持するかという記者団からの質問に対して「議論しているところだ」と回答。市場では「成り行きを見極めたい」との声も聞かれ、積極的に持ち高を傾けにくい状況となった。なお、WTI原油先物価格は5%を超す急騰となった。

・ユーロドルは小幅ながら5日続落。米ISM非製造業景況指数の上振れをきっかけにユーロ売り・ドル買いが先行すると、23時30分過ぎに一時1.1008ドルと日通し安値を更新した。ただ、節目の1.1000ドルに観測されているオプション絡みの買いなどが相場を下支えすると1.1036ドル付近まで下げ渋った。

・ユーロ円は続伸。ドル円と同様に、NY市場では方向感に乏しい展開だった。中東を巡る地政学リスクの高まりで米国株相場が下落すると円買い・ユーロ売りが先行。0時30分前に一時161.50円付近まで値を下げた。ただ、日本時間夕刻に付けた日通し安値161.38円が目先サポートとして働くと162.10円付近まで持ち直した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。イランによるミサイル攻撃を受けたイスラエルが近く報復するとの観測が高まる中、中東情勢が一段と悪化するとの警戒から売りが出た。「石油施設を標的にすることを協議中」との報道を受けて、WTI原油先物相場が急騰したことも投資家心理を冷やした。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も小幅ながら反落した。

・米国債券相場で長期ゾーンは続落。9月米ISM非製造業景況指数が予想を上回ると債券売りが優勢となった。WTI原油先物相場が急騰したことで、「インフレ懸念による債券売りが出た」との指摘もあった。

・原油先物相場は大幅に3日続伸。イランとイスラエルを巡る中東情勢の緊迫化で底堅い動きをしていた原油先物市場だが、バイデン米大統領が「イスラエルによるイラン石油施設への攻撃を協議中」と発言すると74ドル手前まで急騰した。その後72ドル半ばまで戻す場面もあったが、中東情勢の懸念はぬぐえず堅調地合いを維持し大幅に続伸して引けた。

・金先物相場は反発。ドルが堅調に推移したことで、ドルで取引される金先物は割高感で上値を抑えた。一方で、中東情勢の緊迫化により原油先物価格が一時5%超上昇するなどリスク回避の動きが高まると、安全資産とされる金先物に買いが集まったことが下値を支えた。終始前日終値近辺を上下する方向感のない動きだったが、引けにかけてはドル買いの勢いも収まったこともあり反発して引けた。

(中村)
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