NYマーケットダイジェスト・7日 雇用統計受け金利上昇・ドル高・株安

(7日終値)
ドル・円相場:1ドル=156.75円(前営業日比△1.14円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=169.33円(▲0.14円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0801ドル(▲0.0089ドル)
ダウ工業株30種平均:38798.99ドル(▲87.18ドル)
ナスダック総合株価指数:17133.13(▲39.99)
10年物米国債利回り:4.43%(△0.14%)
WTI原油先物7月限:1バレル=75.53ドル(▲0.02ドル)
金先物8月限:1トロイオンス=2325.0ドル(▲65.9ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
5月米雇用統計
失業率     4.0%       3.9%
非農業部門雇用者数変化
       27.2万人    16.5万人・改
平均時給
(前月比)   0.4%       0.2%
(前年比)   4.1%      4.0%・改
4月米卸売売上高
(前月比)   0.1%      ▲1.3%
4月米消費者信用残高
       64.0億ドル   ▲11.0億ドル・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は反発。米労働省が発表した5月米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比27.2万人増と予想の18.5万人増を上回り、平均時給が前月比0.4%/前年比4.1%と予想の前月比0.3%/前年比3.9%を上回ったことが分かると、米連邦準備理事会(FRB)による利下げ開始が先送りになるとの観測が再び高まった。米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが優勢になると、23時過ぎに一時157.08円と日通し高値を付けた。米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.4335%前後まで上昇した。
 ただ、買い一巡後は156円台後半で値動きが鈍った。週末を控えてポジション調整目的の売買に終始したほか、「市場の関心は11-12日の米連邦公開市場委員会(FOMC)や13-14日の日銀金融政策決定会合に移っている」との声も聞かれた。

・ユーロドルは反落。堅調な米雇用指標を受けて足もとで広がっていた米利下げ観測が再び後退すると、ユーロ売り・ドル買いが優勢となった。5時過ぎには一時1.0800ドルと日通し安値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時104.95まで上昇した。

・ユーロ円は続落。22時前に一時169.97円と日通し高値を付けたものの、買い一巡後は徐々に上値が重くなった。ユーロドルの下落につれた売りが相場の重しとなり、0時30分過ぎには169.08円付近まで下押しした。

・メキシコペソは軟調だった。対円では一時8.49円と1月4日以来の安値を付けたほか、対ドルでは18.4560ペソと昨年10月20日以来の安値を更新した。2日のメキシコ大統領選では左派与党のシェインバウム氏が当選。財政悪化懸念の高まりからメキシコペソが売られやすい地合いとなっている。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日ぶりに反落。5月米雇用統計の結果を受けて、米利下げ観測が後退すると株売りが優勢となった。市場では「FRBが利下げ判断を下すには労働需給の緩和を示すさらなるデータを待つ必要がある」との声が聞かれた。もっとも、ダウ平均の下値は堅く上げに転じる場面もあった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続落した。

・米国債券相場で長期ゾーンは大幅に続落。5月米雇用統計の結果を受けて、米利下げ観測が後退すると売りが優勢となった。利回りは一時4.4335%前後まで上昇した。

・原油先物相場はもみ合い。石油輸出国機構(OPEC)加盟国および非加盟の主要産油国で構成するOPECプラスが減産縮小の一時停止や撤回に言及するなど需給バランスの改善が期待されるなか一時76.25ドルまで上昇した。しかし、米雇用統計後の金利上昇・ドル高により、ドル建て原油価格に割高感が生じ押し下げられた。

・金先物相場は3日ぶりに大幅反落。米5月雇用統計が労働市況の底堅さや賃金インフレ継続の可能性を意識させる内容となったことで米金利上昇・ドル高が進行。金利が付かない資産である金の相対的な投資妙味低下が嫌気された。ドル高はドル建て金相場の換算値押し下げに寄与。雇用改善はリスク回避資産でもある金を買う動きを弱め、一時2320.0ドルと5月3日以来、1カ月ぶり以上となる水準まで下振れた。

(中村)
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