NYマーケットダイジェスト・10日 株高・金利上昇・ユーロ下げ渋り

(10日終値)
ドル・円相場:1ドル=157.04円(前営業日比△0.29円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=169.06円(▲0.27円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0765ドル(▲0.0036ドル)
ダウ工業株30種平均:38868.04ドル(△69.05ドル)
ナスダック総合株価指数:17192.53(△59.40)
10年物米国債利回り:4.47%(△0.04%)
WTI原油先物7月限:1バレル=77.74ドル(△2.21ドル)
金先物8月限:1トロイオンス=2327.0ドル(△2.0ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ユーロドルは続落。6-9日に実施された欧州議会選挙では欧州連合(EU)に懐疑的な勢力が伸長し、フランスでは下院議会の解散と総選挙の実施が決まった。仏政局不安を背景にユーロ売りが出ると、欧州時間に一時1.0733ドルと5月9日以来約1カ月ぶりの安値を付けた。
 ただ、NYの取引時間帯に入ると下げ渋る展開に。ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が「金利は必ずしも直線的に低下するわけではない」「ECBはまだインフレ退治の勝利宣言はしない」などと発言すると、「ECBは追加利下げを急いでいない」との見方からユーロを買い戻す動きが出た。取引終了間際には1.0767ドル付近まで下げ幅を縮めた。

・ドル円は続伸。11-12日の米連邦公開市場委員会(FOMC)や13-14日の日銀金融政策決定会合を前に様子見ムードが広がる中、米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いが出てじり高の展開となった。4時過ぎには157.10円付近まで値を上げ、東京時間に付けた日通し高値157.20円に近づいた。

・ユーロ円は3日続落。仏政局不安を背景にユーロ売りが先行すると19時30分前に一時168.30円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。4時30分前には169.08円付近まで下げ幅を縮めた。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。11-12日のFOMCを前に様子見姿勢が強く、積極的な売買は手控えられたものの、個別に材料が出た銘柄に買いが入り相場を下支えした。アナリストが投資判断を引き上げたウォルマートやハネウェル・インターナショナルが上げた一方、年次開発者会議(WWDC)を開いたアップルは下げた。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発し、史上最高値で取引を終えた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。

・米国債券相場で長期ゾーンは3日続落。仏政局不安を背景に仏国債など欧州債相場が下落すると米国債にも売りが波及した。ただ、11-12日のFOMCを前に大きな方向感は出なかった。

・原油先物相場は反発。前週に一時4カ月ぶりの安値をつけるなど、足もとで売りが進んだ反動から買い戻しの動きが目立った。

・金先物相場は小幅反発。前週末に大きく売りが進んだ流れが一服した。もっとも、今週はFOMCを控えていることから手控えムードが強く、持ち高調整主体の動きにとどまった。

(中村)
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