NY為替見通し=まず米5月CPIを見極め 午後のドット・プロットに要注目

 本日のNY為替市場のドル円は、米5月消費者物価指数(CPI)を見極めた後は、政策金利の維持が予想される米連邦公開市場委員会(FOMC)声明でのドット・プロット(金利予測分布図)やパウエルFRB議長の記者会見に注目する展開となる。

 5月米CPIの予想は前年比+3.4%で4月の同比+3.4%と変わらず、コアCPIの予想は同比+3.5%で、4月の同比+3.6%からの伸び率低下が見込まれている。

 パウエルFRB議長は、2日間の会合開催期間中に重要データの発表があった場合、FOMCの参加者は各自の予想を更新するように促されている、と述べていた。

 ドット・プロットでは、3月の年内3回の利下げから1-2回へ減ることや、中立金利が2.6%から上方修正される可能性が見込まれている。

 しかし、5月米CPIの数字次第では、予想を変更せざるを得なくなる可能性があることで、予想外のCPIを受けたドット・プロットの可能性には警戒しておきたい。

 先日、パウエルFRB議長の見解を代弁していると思われるウォールストリート・ジャーナル紙のFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者は、「弱い労働指標で利下げ前倒しは可能だが、強い労働市場は必ずしも利下げ先送りとはならず、むしろインフレ次第となる」と述べており、5月米CPIへの注目度合いを高めている。

 パウエルFRB議長の会見では、ハト派的な見解として、「忍耐強く政策の効果を待つ必要」や「次の動きが利上げになる可能性は低い」などが想定される。
 タカ派的な見解としては、「最近のデータがわれわれの確信を深めるものでないことは明らか。制約的政策によるインフレ抑制に予想以上に時間がかかる可能性。必要な限り金利を据え置くことが可能」などが想定される。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値めどは、5月1日高値157.99円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値めどは、日足一目均衡表・転換線の156.01円
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。