NY為替見通し=ドル円、米指標に一喜一憂の展開か

 本日、米国で5月のADP雇用統計やISM非製造業指数の発表が予定されている。ドル円は昨日2円急落したが、本日は下げ分をほぼ取り返すなど、神経質な動きとなる中、これらの経済指標を確認しつつ、米長期金利の動きに注目することとなりそうだ。

 まず米指標について、市場予想はADPが17.5万人増と前月(19.2万人増)より伸び鈍化、ISM非製造業指数は50.8と前月(48.4)から改善が見込まれている。

 前回を振り返ると、ADPは19.2万人増と予想(17.5万人増)を上回ったほか、前月分も上方修正されたことで直後は買い反応を示したが、その後米財務省が四半期定例入札の規模を公表したことに反応して米長期金利が低下すると失速した。また、ISM非製造業は49.4と予想(52.0)を下回ったが、仕入れ価格指数が59.2と予想(55.0)上回り、コスト上昇ペースの加速が示唆されたことで、米長期金利が低下幅を縮小してドル買いの流れとなった。

 ドル円は今回も、発表直後は予想との対比で動くことが予想されるが、その後は米長期金利の動きに注目したい。
 現時点での今週のレンジは約3円となり、155-156円台のオーダーは軒並み成立直後で少なめである。そうした中、手掛かりとなりそうなポイントが少ない中で一度動き出すと、思いのほか値幅を伴う恐れがある点には注意が必要だろう。

 また、本日のカナダ中銀(BOC)金融政策決定会合について、市場では政策金利を0.25%引き下げて4.75%にするとの見方が多い。同国の4月消費者物価指数(CPI)が前年比で3年1カ月ぶりの水準まで鈍化したことなどが背景にある模様。また、23時半からは、マックレムBOC総裁とロジャースBOC上級副総裁の会見が予定されている。声明とともに、今後の利下げペースについての手掛かりが示されるか注目したい。市場では秋にも0.25%の引き下げが見込まれている。


想定レンジ上限
・ドル円は4日高値156.49円。超えると3日高値157.47円。
・カナダドル円は4日高値114.80円。超えると3日高値115.55円。

想定レンジ下限
・ドル円は日足一目均衡表の基準線154.93円。割ると4日安値154.55円。
・カナダドル円は日足一目均衡表の雲下限113.00円。割ると90日線112.14円。

(川畑)
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