NY為替見通し=ドル円、上値重い中で迎える米指標に注目

 本日のドル円は、足もとで上値の重いムードとなる中で発表される米指標を確認しつつ、その後は米国の長期金利や株価に注目することになるか。

 市場関係者の間では、ドル円については日米の金利差を背景としてドル高を予想する声が多い。しかし、先月29日に157.71円まで上伸した後は伸び悩む動きを見せており、本日は本邦や欧州での株安でリスク回避的な動きとなる中、日銀観測報道も円買いを後押しすると、一時155円を割り込む動きとなった。156.20円台に位置する21日移動平均線を大きく下抜けるなど、足元で調整色が漂っている。

 本日発表予定の4月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数について、市場予想は835.5万件と前月(848.8万件)を下回り、2021年2月以来の弱さになるとみられている。足もとの流れを踏まえ、弱い予想を下回る場合はドル売りが活発化する恐れがある。もっとも、市場の期待値が低い分、予想外に強い結果となった場合は一転してドルが買い直されることもあり得る。結果に注目したい。その後は、日欧で調整色を強めた株価に対して米市場がどう反応するか、3営業日連続で低下している米長期金利の動きを眺めながらの推移となりそうだ。

 テクニカル面では、前述の21日線を下回ったほか、日足一目均衡表の雲の中に入ったことで、下値を試しやすい状況にある。仮に基準線(154.93円)を明確に割り込むと、5月16日安値(153.60円)まで主だった目処がないことから、154.50円や154.00円といった節目を手掛かりに下値を模索することになろう。反対に上値は、3日安値155.95円が抵抗になる可能性があるほか、前述の21日線がすぐ上にあるなど、156円台前半では抵抗が予想される。


・想定レンジ上限
 ドル円は3日安値155.95円。その上は156.20円台に位置する21日線。

・想定レンジ下限
 ドル円は日足一目均衡表の基準線154.93円。明確に割ると心理的節目の154.00円。


(川畑)
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