NY為替見通し=米指標を確認しつつ米長期金利や株式をにらむ展開か

 前月31日から本日のアジア時間の値動きを見ると、31日の4月米個人消費支出(PCE)価格指数を受け、高インフレが続くとの懸念が和らぐとの見方から156円台半ばまで下押すも一時的となり、本日のアジア市場で157円台半ばまで上値を伸ばしている。
 本日のNY市場では、日米金利差が意識されやすい中、23時に発表される5月米ISM製造業景気指数を確認しつつ、米株・債券市場を見定めながらの展開が見込まれる。

 5月米ISM製造業景気指数について、市場予想は49.6と前月(49.2)は上回るも、2カ月連続で好不況の分岐点とされる50を下回る見通し。
 前月23日の米5月製造業PMI・速報値は50.9と予想(50.0)を上回り、50割れも回避する結果となった。今回、これに続いて50を上回るようだとドル買い材料にされる公算だが、弱めの予想をも割り込むような場合はドル売りの展開もあり得る。なお、前述の米5月製造業PMIについて、22時45分に改定値が発表予定である。

 なお、4月ISM製造業景気指数は予想を下回ったが、構成要素のうち仕入れ価格は60.9と2022年6月以来の高水準だった。市場の関心が日米金利差に集まる中では米インフレ動向は無視できない材料であり、前月を上回る場合はインフレ長期化懸念から長期金利が上昇する一方で株価が下落する展開もありえる。引き続き注意したい。

 テクニカル面では、先月29・30日の上伸が同月1日高値157.99円を前に伸び悩んではいるが、5・21日線の傾きが上向きとなっており、足元では上向きの流れが続いている可能性がある。もし157.99円を超えてゆく場合、近くに主だった目処が見当たらないこともあり、6日NYカットの大きなオプションが観測される158.50円が次の目処となろう。仮に下押した場合は、5月31日安値156.56円や、日足一目均衡表の基準線156.02円がサポートとなるか試されそうだ。


・想定レンジ上限
 ドル円は5月1日高値の157.99円。その上は6日NYカットの大きなオプションが観測される158.50円。

・想定レンジ下限
 ドル円は5月31日安値156.56円。割ると日足一目均衡表の基準線156.02円。

(川畑)
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