NY為替見通し=米国の住宅関連や景気指数、雇用関連指標に要注目か

 本日のNY為替市場のドル円は、5月米住宅・建設許可件数、6月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、新規失業保険申請件数などを見極めた後は、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁の発言に注目する展開となる。

 6月12日の米連邦公開市場委員会(FOMC)でのタカ派的なドット・プロット(金利予測分布図)にも関わらず、米10年債利回りは4.20%台で低迷しており、米5月の消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数(PPI)の伸び率鈍化、そして来週発表されるPCEデフレーターの伸び率鈍化見通しが背景にあると思われる。
 本日発表される米国の経済指標に対する反応にも注目しておきたい。

 5月米住宅着工件数は137.0万件と前月比+0.7%と、4月分の前月比+5.7%からは伸び率の鈍化が見込まれている。住宅ローン金利の高止まりを受けて、住宅市場の停滞が警戒されていることから、ネガティブサプライズに警戒しておきたい。

 6月米雇用統計の調査対象週の米新規失業保険申請件数は23.5万件と、前回発表値の24.2万件からの減少予想。6月8日までの1週間の新規失業保険申請件数24.2万件は、10カ月ぶりの高水準となり、労働市場の緩和が示されていた。4週間移動平均は4750件増の22.7万件と9カ月ぶりの高水準となっており、6月15日週の数字に要注目となる。

 本日は、ハト派のカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁がイベントに参加することになっており、先日の発言「年内に1回利下げを行い、その時期は12月になると考えるのが妥当な予想だ」と同様のハト派的な見解が見込まれている。


 また本日は、退官前の神田財務官が「為替、今後とも過度な変動に対してはしっかりと対応していく」と述べており、ドル売り・円買い介入の可能性にも警戒しておきたい。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、158.78円  (ピボット・ターニングポイント)、その上は160.17円(4月29日の高値)

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、156.99円(日足一目均衡表・転換線)


(山下)
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