ロンドン為替見通し=昨日の欧州通貨安の影響で、欧州PMIの予想比下振れに要警戒

 昨日は、スイス国立銀行(中央銀行、SNB)が政策金利の引き下げを敢行し、英中銀(BOE)は政策金利を据え置いたが、金融政策委員会(MPC)メンバーの2名が利下げを主張したことでスイスフランとポンドが弱含んだ。また、ユーロドルも連れて軟調な動きだった。市場は欧州通貨に対して売り目線で見ていることで、本日発表される欧州経済指標もネガティブサプライズに反応が大きくなると予想する。

 欧州の経済指標では15時に英国の小売売上高が発表され、その後欧州各国から6月の製造業・サービス業の各購買担当景気指数(PMI)・速報値が発表される。現時点では仏・独・ユーロ圏・英などのPMIは、下記のように小幅ながらすべて前月から改善する予想となっている。

6月仏製造業PMI、前月46.4→予想46.8
6月仏サービス部門PM、前月49.3→予想50.0
6月独製造業PMI、前月45.4→予想46.4
6月独サービス部門PMI、前月54.2→予想54.4
6月ユーロ圏製造業PMI、前月47.3→予想47.9
6月ユーロ圏サービス部門PMI、前月53.2→予想53.5
6月英製造業PMI、前月51.2→予想51.3
6月英サービス部門PMI、前月52.9→予想53.0

 上述のように、これらの結果が予想より弱かった場合には欧州通貨は売られやすいだろう。もし、強い結果となった場合でも、英国以外の製造業PMIが依然として景況の強弱を判断する節目50を割り込んでいる可能性が高いことで、50を下回っていれば欧州通貨を積極的に買うのは難しいだろう。

 なお、ここ最近は新たな動きはないものの30日に行われるフランスの総選挙のニュース等にも引き続き目を向けておきたい。


想定レンジ上限
・ユーロドル:日足一目均衡表・転換線1.0760ドル。
・ポンドドル:日足一目均衡表・転換線1.2758ドル。
・ユーロポンド:6月4・6日高値0.8525ポンド。

想定レンジ下限
・ユーロドル:6月14日安値1.0668ドル。
・ポンドドル:日足一目均衡表・雲下限1.2543ドル
・ユーロポンド:6月14日安値=年初来安値0.8397ポンド。


(松井)
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