東京為替見通し=ドル円は円買い介入に要警戒、豪ドルは豪5月CPIに要注目か

 25日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事のタカ派発言や米10年債利回りが4.25%台まで上昇したことなどで、159.76円まで上昇した。ユーロドルはFRBが利下げを慎重に判断するとの見方が広がる中、米長期金利の上昇に伴うドル買いで1.0691ドルまで下落。ユーロ円は170.71円まで下落した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、スポット取引の決済日が月末最終営業日(28日)となることによる円売りの可能性に対して本邦通貨当局がドル売り・円買い介入に踏み切るのか否かに注目する展開となる。

 ドル円は、本邦通貨当局のレッドラインと見なされている160円の手前で、21日は159.84円、24日は159.92円、25日は159.76円までで伸び悩む展開となっている。
 本日は、スポット取引の決済日が月末最終営業日(28日)となるため、円売り圧力の可能性に警戒しておきたい。
 また、昨年6月27日に神田財務官の続投人事が発表されており、本日から月末にかけて神田財務官退官の人事が発表される可能性があることで、円の守護神である神田財務官が退場することによる円売り圧力が強まる可能性には警戒しておきたい。

 本邦通貨当局による円買い介入の可能性が高まる目安としては、神田財務官が警戒するボラティリティーの上昇を示すボリンジャー・バンド+2σが160.29円、「神田ライン」(過去28日間の安値から10円上昇)が164.55円(154.55円+10円)となる。

 海外投機筋は、IMM通貨先物の非商業(投機)に現れているように、円売り持ちポジション(※6/18時点:147753枚)を積み上げており、一部の外国為替証拠金取引(FX)投資家は、円買い介入への期待感から円買い持ちポジションを積み上げている。

 本邦通貨当局が円買い介入を見送り、ドル円が160円を上抜けた場合、FX投資家の円買い持ちポジションの手仕舞いとなり、4月の152円の攻防戦の後のように上昇トレンドに弾みがつくことが予想される。
 一方で、4月29日のように円買い介入に踏み切った場合は、シカゴ筋の円売り持ちポジションの手仕舞いとなり、反落することが予想される。

 10時30分に発表される5月豪消費者物価指数(CPI)は前年比+3.8%と予想されており、4月の同比+3.6%からの上昇が見込まれている。予想通りならば、豪準備銀行(RBA)のインフレ目標レンジ(2-3%)から遠ざかることになり、先週のRBA理事会での声明文「インフレの上振れリスクに対して警戒」が現実味を帯びてくることで、豪ドル買い要因になる。
 ブロックRBA総裁は理事会後に「利上げについても議論した」などと述べていた。

(山下)
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