週間為替展望(豪ドル/ZAR)-豪ドル、追加利上げの思惑台頭
◆豪ドル、CPIの上振れで追加利上げの思惑台頭
◆豪ドル、RBA理事会議事要旨に注目
◆ZAR、国民統一政府の行方が相場を左右
予想レンジ
豪ドル円 105.00-109.00円
南ア・ランド円 8.50-9.00円
7月1日週の展望
豪ドルは底堅い展開が予想される。今週発表された5月消費者物価指数(CPI)は前年比4.0%の上昇となり、市場予想の3.8%上昇を上回る結果となった。これで3カ月連続でのインフレ加速となったほか、変動の激しい項目を除くトリム平均も前年比4.4%の上昇と前月の4.1%から加速した。
豪準備銀行(RBA)のインフレ目標(2-3%)からはますます遠ざかる格好となり、市場では8月5-6日に開催される次回理事会での利上げ思惑も台頭。RBAは昨年11月の利上げを最後に、金利据え置きを続けており、次の一手は利下げと予想されていたが、主要国の中でも数少ない再利上げ方針へと転換する可能性が出てきた。利下げへと舵を切る中銀が増え始めるなかで、RBAの再利上げに対する思惑は、今後の豪ドルの下値を支えることになるだろう。
来週は7月1日に5月小売売上高、同月2日に6月17-18日開催分のRBA理事会議事要旨、3日に5月住宅建設許可件数、4日に5月貿易収支が発表予定。次回のRBA理事会までに最も注意すべき指標は31日公表の6月および4-6月期のCPIだが、RBAの金融政策方針に関する不透明感が強まっているだけに、過去分とはいえ議事要旨にも注目しておきたい。なお、RBAは理事会の声明で「インフレは緩和しているものの、従来の予想よりペースが遅い」などの見解を示したほか、ブロックRBA総裁は利上げを検討していたことも明らかにしていた。
南アフリカ・ランド(ZAR)は神経質な動きとなりそうだ。今週は国民統一政府(GNU)の人事を巡る報道でZAR相場が上下する場面が見られたが、来週も同じく政局絡みの報道に一喜一憂する展開となることが予想される。
南アフリカ総選挙で過半数を失ったアフリカ民族会議(ANC)は野党第一党の民主同盟(DA)などを含めた10政党でGNUを発足。ただ、各党との閣僚ポスト交渉が難航しており、ラマポーザ大統領は新内閣を発表できずにいる。GNUの発足については市場からも歓迎されてZAR買い要因となっただけに、交渉が成立した場合はZAR相場を下支えすると思われるが、交渉の決裂やDAのGNUからの離脱といった最悪の事態についても警戒はしておくべきだろう。また、主義主張の異なる政党による大連立政権となるため、新内閣発足後も政権運営に関して不透明感は根強く残りそうだ。市場の目線が国内の政局に向いている間は関連報道に注意しておきたい。なお、来週は主な経済指標の発表などは予定されていない。
6月24日週の回顧
豪ドルは5月CPIが予想を大きく上回ったことを契機に対ドル・対円でともに買いが優勢に。対円では2007年以来の豪ドル高水準を更新した。ZARは新内閣発足に向けた交渉が難航しているとの思惑から弱含みで推移。ZAR円はドル円の上昇によって下値を支えられたものの、8.80円を挟んだ水準で神経質に上下した。(了)
◆豪ドル、RBA理事会議事要旨に注目
◆ZAR、国民統一政府の行方が相場を左右
予想レンジ
豪ドル円 105.00-109.00円
南ア・ランド円 8.50-9.00円
7月1日週の展望
豪ドルは底堅い展開が予想される。今週発表された5月消費者物価指数(CPI)は前年比4.0%の上昇となり、市場予想の3.8%上昇を上回る結果となった。これで3カ月連続でのインフレ加速となったほか、変動の激しい項目を除くトリム平均も前年比4.4%の上昇と前月の4.1%から加速した。
豪準備銀行(RBA)のインフレ目標(2-3%)からはますます遠ざかる格好となり、市場では8月5-6日に開催される次回理事会での利上げ思惑も台頭。RBAは昨年11月の利上げを最後に、金利据え置きを続けており、次の一手は利下げと予想されていたが、主要国の中でも数少ない再利上げ方針へと転換する可能性が出てきた。利下げへと舵を切る中銀が増え始めるなかで、RBAの再利上げに対する思惑は、今後の豪ドルの下値を支えることになるだろう。
来週は7月1日に5月小売売上高、同月2日に6月17-18日開催分のRBA理事会議事要旨、3日に5月住宅建設許可件数、4日に5月貿易収支が発表予定。次回のRBA理事会までに最も注意すべき指標は31日公表の6月および4-6月期のCPIだが、RBAの金融政策方針に関する不透明感が強まっているだけに、過去分とはいえ議事要旨にも注目しておきたい。なお、RBAは理事会の声明で「インフレは緩和しているものの、従来の予想よりペースが遅い」などの見解を示したほか、ブロックRBA総裁は利上げを検討していたことも明らかにしていた。
南アフリカ・ランド(ZAR)は神経質な動きとなりそうだ。今週は国民統一政府(GNU)の人事を巡る報道でZAR相場が上下する場面が見られたが、来週も同じく政局絡みの報道に一喜一憂する展開となることが予想される。
南アフリカ総選挙で過半数を失ったアフリカ民族会議(ANC)は野党第一党の民主同盟(DA)などを含めた10政党でGNUを発足。ただ、各党との閣僚ポスト交渉が難航しており、ラマポーザ大統領は新内閣を発表できずにいる。GNUの発足については市場からも歓迎されてZAR買い要因となっただけに、交渉が成立した場合はZAR相場を下支えすると思われるが、交渉の決裂やDAのGNUからの離脱といった最悪の事態についても警戒はしておくべきだろう。また、主義主張の異なる政党による大連立政権となるため、新内閣発足後も政権運営に関して不透明感は根強く残りそうだ。市場の目線が国内の政局に向いている間は関連報道に注意しておきたい。なお、来週は主な経済指標の発表などは予定されていない。
6月24日週の回顧
豪ドルは5月CPIが予想を大きく上回ったことを契機に対ドル・対円でともに買いが優勢に。対円では2007年以来の豪ドル高水準を更新した。ZARは新内閣発足に向けた交渉が難航しているとの思惑から弱含みで推移。ZAR円はドル円の上昇によって下値を支えられたものの、8.80円を挟んだ水準で神経質に上下した。(了)