株式明日の戦略-7月初日は上昇スタート、TOPIXの高値更新で目線が上に

 7月に入り1日の日経平均は続伸。終値は47円高の39631円。米国株安を受けても3桁上昇スタート。開始早々には上げ幅を300円超に広げて39900円台に乗せた。40000円を前にしては上値が重くなり、買い一巡後は伸び悩んだ。前場では失速しても上げ幅を2桁に縮めると盛り返したが、後場に入るとマイナス圏に沈んだ。ただ、下げたところでは一段と売り込む動きは見られず、13時以降はプラス圏とマイナス圏を行き来した。終値では小幅ながらプラスを確保した。

 TOPIXは3月22日の終値2813.22pを上回り、年初来高値を更新した。米長期金利の上昇を受けて新興銘柄は売られており、グロース250指数は1.8%安と大きな下げとなった。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆8600億円。業種別では海運、保険、石油・石炭などが上昇した一方、精密機器、陸運、非鉄金属などが下落した。海運株の動きが良く、川崎汽船<9107.T>が6.8%高と大きく上昇した。半面、半導体株の多くが売られており、中でも最高財務責任者(CFO)の交代を発表したレーザーテック<6920.T>が4%安と下に値幅が出た。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり796/値下がり790。上方修正を発表した百貨店株の高島屋とJフロントがそろって急騰。同業のH2Oリテイリングや松屋にも期待買いが入った。個別に日立、三菱商事、MS&AD、楽天Gが3%台の上昇。移植用「軟骨再生シート」が米国で特許査定を受けたと発表したセルシードがストップ高まで買い進まれた。

 一方、レーザーテックのほか、ディスコ、東京エレクトロン、アドバンテストなど半導体株の主力どころが下落。米長期金利の上昇を嫌気して、リクルートやエムスリーなどサービス系のグロース株が強めに売られた。JR東日本や富士急行など鉄道株が全般軟調。1Qが営業減益となったアダストリアが11.6%安と暴落した。

 日経平均は小幅高。高寄り後に失速して場中の動きはさえなかったが、マイナス圏に沈んだところでは踏みとどまった。全体として失速感があった中でも、TOPIXはしっかり年初来高値を更新してきた。きょうは半導体株が弱かったが、先週後半以降、日本株の動きが良くなってきた中でグロース株よりもバリュー株が強く買われる場面が増えている。米国の長期金利が上昇してバリュー株しか買えないという環境だと手詰まり感が出てくるが、今はそうではない。それだけに、日経平均の年初来高値更新にも期待がかかる。まずは心理的節目の40000円を早々に超えることができるかに注目したい。

株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。