ロンドン為替見通し=当局者発言や仏選挙を気にしながら、結局は米雇用統計次第か

 本日のロンドン為替市場でユーロドルは、ナーゲル独連銀総裁の発言を気にしながらも、結局は午後の6月米雇用統計の結果次第ということになってしまうだろう。また、7日のフランス下院選の決選投票に対する思惑で上下する場面もありそうだ。

 独連銀総裁の講演は日本時間16時からの予定。昨日公表された6月分の欧州中央銀行(ECB)議事要旨では、当局者はおおむね、インフレが継続的に低下を確信していたことが示された。しかしながら利下げに不安を感じたメンバーもいたとされ、おそらくだが、そのうちの1人がタカ派としてしられるナーゲル氏だと思われる。

 昨日は、ECBチーフエコノミストでもあるレーン専務理事が「インフレに対する警戒感は依然として残る」と言及。ナーゲル独連銀総裁の金融スタンスからすると、それ以上に警戒を強めた言いまわしが出てくる可能性はありそうだ。

 仏下院総選挙の2回目投票では、1回目で第1党となることが確実となった極右「国民連合(RN)」が票を伸ばせないという見方が広がっている。1回目2位の左派連合とマクロン大統領率いる与党連合が手を組み、RNの過半数獲得の阻止に成功する見込み。

 フランスの政局混乱は避けられないのだろうが、それは「いつものこと」とも言える。最近は極端な意見は控えていたRNだが、同党主導の政策運営に不安を覚える投資家も多くいたようだ。予想通りにRNが絶対多数に届かないようであれば、金融市場は仏リスク後退を意識した動きとなるだろう。

 ほか欧州で気になるニュースは、オルバン・ハンガリー首相が本日、モスクワを訪問してプーチン露大統領と会談するもよう。複数のメディアが4日に報じた。ハンガリーは今月から、輪番の欧州連合(EU)議長国を務める。民主主義規範でEUと対立することも多いオルバン首相ということもあり、どのような話し合いになるかが注目される。

 英国の総選挙については、最大野党・労働党が前評判通りに圧勝し、14年ぶりの政権奪取をほぼ確実なものとした。一部通信社によれば、同国政治が安定することを期待し、英資産に資金が向かうとの期待が高まりつつあるようだ。ただし絶対多数を得たとはいえ、首相就任が見込まれるスターマー労働党党首にとって、財政再建など課題は多い。

想定レンジ上限
・ユーロドル、6月6・7日高値1.0902ドル
・ポンドドル、6月12日高値1.2860ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、2日安値1.0710ドル
・ポンドドル、2日安値1.2616ドル

(小針)
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