ニューヨーク外国為替市場概況・9日 ドル円、続伸

 9日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は161.33円と前営業日NY終値(160.83円)と比べて50銭程度のドル高水準だった。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は米上院銀行委員会の議会証言で、先行きの金融政策について「会合ごとに判断する」との考えを改めて示したほか、「最近のインフレデータは2%目標への穏やかな進展を示唆」「より良いデータが増えればインフレに対する確信が強まるだろう」「インフレが持続的に2%に向かうという確信が高まるまで利下げは適切ではない」などと述べた。
 総じてこれまでの発言から大きな違いはなかったが、前週末の米雇用統計を受けて利下げ観測が高まっていたこともあり、議会証言後は米金利の上昇とともにドル買いで反応。米10年債利回りが4.32%台まで上昇するなか、一時161.52円と日通し高値をつけた。もっとも、その後は米金利が上昇幅を縮小したため、161.30円前後の水準で伸び悩んだ。

 ユーロドルは続落。終値は1.0813ドルと前営業日NY終値(1.0824ドル)と比べて0.0011ドル程度のユーロ安水準だった。米金利の上昇などが重しとなって1.0806ドルまで弱含んだ。もっとも、本日の値幅は0.0027ドル程度と狭く、1.08ドル台前半でのレンジ内推移にとどまった。
 なお、米格付け会社ムーディーズはこの日、仏下院選挙の結果は同国の信用格付けにとってマイナスだと警告。大連立政権が樹立されれば意思決定や債務管理がより困難になるとの見方を示した。

 ユーロ円は4営業日ぶりに反発。終値は174.45円と前営業日NY終値(174.08円)と比べて37銭程度のユーロ高水準だった。ドル円の上昇につれて下値を切り上げる展開となり、24時過ぎには174.59円まで本日高値を更新した。ただ、昨日につけたユーロ導入来高値の174.63円が目先のレジスタンスとして意識されると174.30円台まで押し戻された。

 メキシコペソは堅調。6月メキシコ消費者物価指数(CPI)は前年比4.98%上昇と予想の同4.84%上昇を上回った。メキシコでは足もとでインフレ再加速が進んでおり、メキシコ銀行(中央銀行)の追加利下げ観測後退を手掛かりにした買いが入った。対ドルでは17.9006ペソまでペソ高が進み、ペソ円も6月3日以来の高値となる9.01円まで値を上げた。

本日の参考レンジ
ドル円:160.73円 - 161.52円
ユーロドル:1.0806ドル - 1.0833ドル
ユーロ円:174.02円 - 174.59円

(岩間)
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