NYマーケットダイジェスト・11日 株まちまち・金利低下・円急伸

(11日終値)
ドル・円相場:1ドル=158.84円(前営業日比▲2.85円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=172.62円(▲2.49円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0868ドル(△0.0038ドル)
ダウ工業株30種平均:39753.75ドル(△32.39ドル)
ナスダック総合株価指数:18283.41(▲364.04)
10年物米国債利回り:4.21%(▲0.07%)
WTI原油先物8月限:1バレル=82.62ドル(△0.52ドル)
金先物8月限:1トロイオンス=2421.9ドル(△42.2ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
6月米消費者物価指数(CPI)
前月比     ▲0.1%     0.0%
前年同月比   3.0%      3.3%
6月米CPIエネルギーと食品を除くコア指数
前月比     0.1%      0.2%
前年同月比   3.3%      3.4%
前週分米新規失業保険申請件数
       22.2万件     23.9万件・改
前週分米失業保険継続受給者数
       185.2万人    185.6万人・改
6月米財政収支
      660億ドルの赤字 3471億ドルの赤字

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は4営業日ぶりに大幅反落。6月米消費者物価指数(CPI)が予想比で下振れると、米金利の急低下とともに急ピッチで円高・ドル安が進行した。政府関係者の話として「政府・日銀が為替介入を実施した」との一部報道も伝わるなか、22時過ぎには一時157.44円まで下押し。ただ、欧州時間につけた高値から4円超の急落となったため、その後は反動から158.97円付近まで下値を切り上げる場面も見られた。米10年債利回りが4.16%台まで急低下した後、4.21%台まで低下幅を縮小したことも相場を下支えした。
 なお、神田財務官は「介入の有無についてコメントする立場ではない」「ファンダメンタルズに沿った合理的な動きとは言えない」などの見解を示した。

・ユーロ円は3営業日ぶりに大幅反落。21時過ぎに175.43円までユーロ導入来高値を更新するなど堅調な推移を続けていたものの、米CPIの発表後は円相場が急伸した流れに沿って171.58円まで値を下げた。売りが一巡するとドル円と同様に172.90円台まで買い戻しが入ったが、日経先物などが大幅安となった影響もあって戻りは鈍かった。

・ユーロドルは続伸。CPIの伸び鈍化を受けて米利下げ観測が高まるなか、22時前には一時1.0900ドルまで上昇した。もっとも、1.09ドル台の定着とはならず、その後は米金利の低下幅縮小などを手掛かりに1.0860ドル台まで押し戻された。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。6月米消費者物価指数(CPI)が予想を下回る結果となり、米利下げ観測が高まると景気敏感株の一角に買いが入った。一方で、ハイテク株などには持ち高調整売りが持ち込まれ、指数の重しになった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は8営業日ぶりに反落。

・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。米消費者物価指数(CPI)が予想を下回る結果となり、米利下げ観測の高まりを手掛かりにした買いが入った。10年物国債利回りは一時4.16%と約4カ月ぶりの水準まで低下する場面もあった。

・原油先物相場は続伸。国際エネルギー機関(IEA)が公表した月報では、2024年の世界の石油需要は従来予想とほぼ同水準とされたが、来年については下方修正された。需要の先行き不透明感から売りが先行したものの、81ドル台では下げ渋った。その後、為替がドル安に振れたことでドル建て原油に割安感が生じ、82ドル台でじり高となった。

・金先物相場は大幅に3日続伸。注目された6月米消費者物価指数(CPI)は総じて市場予想を下回り、結果を受けて米・中長期金利が急低下。金利先安観の強まりや為替でドル安が進行したことが好感され、金先物は約1カ月半ぶりの高値圏となる2430ドル付近まで一時上昇した。

(岩間)
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