ニューヨーク外国為替市場概況・17日 ドル円、3日ぶり反落

 17日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3営業日ぶりに反落。終値は156.20円と前営業日NY終値(158.35円)と比べて2円15銭程度のドル安水準だった。米大統領選の共和党候補に指名されたトランプ前大統領が通信社とのインタビューで「米国はドル高により大きな問題を抱えている」と述べ、足もとのドル高をけん制したほか、河野太郎デジタル相が円安是正のため、日銀に政策金利を引き上げるよう求めたと伝わると、円買い・ドル売りが優勢となった。
 また、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が「今後数カ月以内に金利引き下げが正当化される可能性がある」と述べたほか、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が「最近のデータで2%の物価目標達成にさらに自信が持つことができた」「利下げが正当化される時期に近づいている」と発言したこともドル売りを促し、4時過ぎには一時156.07円と6月12日以来の安値を付けた。
 なお、FRBはこの日公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)で「米経済活動は大多数の地域で小幅から控えめなペースで拡大を維持した」との認識を示した。また、今後6カ月の見通しについては「大統領選や地政学的要因、インフレを巡る不確実性により活動が鈍化する」と予想した。

 ユーロドルは続伸。終値は1.0939ドルと前営業日NY終値(1.0899ドル)と比べて0.0040ドル程度のユーロ高水準だった。トランプ前米大統領が足もとのドル高をけん制したことを手掛かりに全般ドル売りが進行。FRB高官からハト派的な発言が相次いだこともドル売りを促し、22時30分過ぎに一時1.0948ドルと3月14日以来約4カ月ぶりの高値を付けた。その後の下押しも1.0924ドル付近にとどまった。

 ユーロ円は3日ぶりに反落。終値は170.88円と前営業日NY終値(172.59円)と比べて1円71銭程度のユーロ安水準。河野デジタル相が日銀に利上げを求めたことで円買いが入ったほか、日米株価指数の軟調推移がリスク回避の円買いを促した。2時前には一時170.71円と6月25日以来の安値を更新した。
 ユーロ円以外のクロス円も軟調だった。ポンド円は一時203.03円、豪ドル円は104.98円、NZドル円は94.78円、カナダドル円は114.02円、南アフリカ円は8.56円、トルコリラ円は4.71円まで値を下げた。

本日の参考レンジ
ドル円:156.07円 - 158.61円
ユーロドル:1.0895ドル - 1.0948ドル
ユーロ円:170.71円 - 172.83円

(中村)
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