NYマーケットダイジェスト・17日 ダウ最高値・円高・ドル安

(17日終値)
ドル・円相場:1ドル=156.20円(前営業日比▲2.15円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=170.88円(▲1.71円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0939ドル(△0.0040ドル)
ダウ工業株30種平均:41198.08ドル(△243.60ドル)
ナスダック総合株価指数:17996.93(▲512.41)
10年物米国債利回り:4.16%(横ばい)
WTI原油先物8月限:1バレル=82.85ドル(△2.09ドル)
金先物8月限:1トロイオンス=2459.9ドル(▲7.9ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比)    3.9%      ▲0.2%
6月米住宅着工件数
       135.3万件    131.4万件・改
建設許可件数
       144.6万件    139.9万件・改
6月米鉱工業生産
(前月比)    0.6%      0.9%・改
設備稼働率   78.8%      78.3%・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに反落。米大統領選の共和党候補に指名されたトランプ前大統領が通信社とのインタビューで「米国はドル高により大きな問題を抱えている」と述べ、足もとのドル高をけん制したほか、河野太郎デジタル相が円安是正のため、日銀に政策金利を引き上げるよう求めたと伝わると、円買い・ドル売りが優勢となった。
 また、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が「今後数カ月以内に金利引き下げが正当化される可能性がある」と述べたほか、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が「最近のデータで2%の物価目標達成にさらに自信が持つことができた」「利下げが正当化される時期に近づいている」と発言したこともドル売りを促し、4時過ぎには一時156.07円と6月12日以来の安値を付けた。
 なお、FRBはこの日公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)で「米経済活動は大多数の地域で小幅から控えめなペースで拡大を維持した」との認識を示した。また、今後6カ月の見通しについては「大統領選や地政学的要因、インフレを巡る不確実性により活動が鈍化する」と予想した。

・ユーロドルは続伸。トランプ前米大統領が足もとのドル高をけん制したことを手掛かりに全般ドル売りが進行。FRB高官からハト派的な発言が相次いだこともドル売りを促し、22時30分過ぎに一時1.0948ドルと3月14日以来約4カ月ぶりの高値を付けた。その後の下押しも1.0924ドル付近にとどまった。

・ユーロ円は3日ぶりに反落。河野デジタル相が日銀に利上げを求めたことで円買いが入ったほか、日米株価指数の軟調推移がリスク回避の円買いを促した。2時前には一時170.71円と6月25日以来の安値を更新した。
 ユーロ円以外のクロス円も軟調だった。ポンド円は一時203.03円、豪ドル円は104.98円、NZドル円は94.78円、カナダドル円は114.02円、南アフリカ円は8.56円、トルコリラ円は4.71円まで値を下げた。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は6日続伸し、史上最高値を更新した。米国のインフレが落ち着く中、米利下げ観測を手掛かりにした買いが続いた。決算内容が好感されたジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)やユナイテッドヘルス・グループへの買いが目立った。
 一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日ぶりに大幅反落。対中規制強化への懸念や台湾情勢を巡る不透明感から半導体株中心にハイテク銘柄が売られた。

・米国債券相場で長期ゾーンは横ばい。11月の米大統領選挙でトランプ前大統領が優勢との見方が強まる中、米政府の財政拡張に対する懸念が売りを誘った。半面、FRBが9月にも利下げに動くとの観測が買いを促した。20年債入札が「好調」と受け止められたことも相場を下支えした。

・原油先物相場は4日ぶりに反発。トランプ前大統領のドル高けん制発言で、主要国通貨に対してドルが弱含むと、原油先物は割安感から買いが優勢となった。米エネルギー省(EIA)が発表した週間石油在庫でガソリン在庫と中間留分が予想に反し積み増しとなるとやや売りに押される局面もあったが、引けにかけては再び買いの勢いが増して反発して引けた。

・金先物相場は反落。金先物価格は米中通商摩擦の再燃やドル安により一時過去最高値を更新した。しかしながら、引けにかけては利食い売りが優勢になったことで、小幅に反落して引けた。

(中村)
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