週間為替展望(豪ドル/ZAR)-豪ドル、RBAの金融政策に注目

◆豪ドル、RBAの金融政策に注目
◆NZドル、翌週に金融政策の発表控え動きづらい
◆ZAR、市場はSARBの9月利下げをほぼ織り込む

予想レンジ
豪ドル円 95.00-100.00円
南ア・ランド円 7.90-8.50円

8月5日週の展望
 豪ドルは神経質な展開となりそうだ。来週は5-6日に豪準備銀行(RBA)の金融政策理事会が予定されており、市場の注目を集める。今週公表された6月消費者物価指数(CPI)は前年比3.8%の上昇となり、前月の4.0%から伸びが鈍化。4-6月期CPIは前年同期比3.8%上昇と1-3月期(3.6%)から加速した一方、RBAが重視しているとされるトリム平均は前期からの鈍化が確認された。

 こうしたインフレ指標を受けて今回もRBAは利上げを見送るとの予想が大勢を占めており、市場予想も4.35%での据え置きとなっている。ポイントは声明文でタカ派姿勢を維持するかどうか。前回の声明では「最近のデータはインフレの上振れリスクに対する警戒感を改めて示している」として、利上げを議論したことを明らかにしていた。今月の声明文でもタカ派的な姿勢が維持されれば、豪州の金利先高観が相場を下支えすることになりそうだ。

 また、円・ドル相場の動向にも引き続き注意が必要となる。今週は日米で金融政策決定会合が開催され、日銀が利上げ決定と追加利上げ方針を明らかにしたほか、米国ではパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が9月に利下げを実施する可能性を示唆した。金融政策の方向性から鑑みると豪ドルは対ドルで買い方向、対円では売り方向へと進む可能性がある。日米金融イベントを通過した後も値幅を伴った動きが続いているため、しばらくは荒い値動きとなる可能性に警戒しておきたい。

 隣国のNZでは7日に4-6月期の雇用統計が発表される。指標結果を受けてNZドルが動意づくことも予想されるが、翌週の14日にはNZ準備銀行(RBNZ)の金融政策公表が控えているため、徐々に手控えムードが広がりそうだ。

 南アフリカ・ランド(ZAR)は対円を中心に伸び悩む動きとなるだろう。南アフリカでは7月に公表された6月CPIでインフレが落ち着きつつあることを確認し、市場は南アフリカ準備銀行(SARB)の9月利下げをほぼ織り込んだ状況となっている。対ドルでは金融政策の方向性が同じであることから相場も動きづらくなるが、対円では日銀の利上げ観測がZAR相場の上値を抑えることになりそうだ。なお、来週は南アフリカから特段の経済指標などは予定されていないが、9日は女性の日の祝日で休場となる。

7月29日週の回顧
 豪ドルは対円を中心に売り優勢で推移。日銀が利上げを決定し、植田日銀総裁が追加利上げの可能性を示唆すると、全般に円買いが加速した流れに沿って豪ドルも2月以来の安値まで売りに押された。豪CPIでインフレ加速の兆候が収まったことも相場の重しとなった。ZARも日銀の金融政策を受けて対円で売りが強まり、4月下旬以来の安値を更新した。(了)
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