週間為替展望(豪ドル/ZAR)- 豪ドル、対中規制強化の行方に注意
◆豪ドル、米国の対中規制強化の行方に注意
◆NZ、インフレ鈍化で年内の利下げ観測が高まる
◆ZAR、インフレ指標に注目
予想レンジ
豪ドル円 102.00-108.00円
南ア・ランド円 8.30-8.80円
7月22日週の展望
豪ドルは対円を中心に荒い値動きとなりそうだ。今週も政府・日銀による円買い介入が実施された可能性が高まる中で全般に円買いが強まり、豪ドルも対円で大幅な調整が続いた。トランプ前米大統領や河野デジタル相などから円安の是正を求める声が相次いで伝わったこともあり、来週以降も日米の要人発言には引き続き注意が必要となるだろう。4月末の前回介入時には5円程度の調整が入った後、次第に豪ドルを買い戻す展開へと移行したが、今回も同様の推移を辿るのか注意深く見極めたい。
また、今週に伝わった「米国が対中半導体規制でさらなる厳しいルールを検討していることを同盟国に警告した」との報道に対する影響も気になるところだ。ここまで米国株相場の上昇を押し上げてきた半導体関連株が売りに押されており、株安基調が継続した場合はリスクに敏感な豪ドルの重しとなることが予想される。豪州が中国と貿易関係が深いこともあって、他の主要国と比較しても中国絡みの報道に影響を受けやすい点も注意しておくべきだろう。
なお、今週に発表された6月雇用統計では新規雇用者数が予想より強い結果となったが、相場への影響は限られた。来週は豪州から主だった経済指標の発表が予定されていないこともあり、ドル円相場や株価動向など外部要因に左右される展開が続くことが予想される。
隣国のNZでは今週発表された4-6月期の消費者物価指数(CPI)が予想を下回り、6四半期連続でのインフレ鈍化となった。NZ準備銀行(RBNZ)はインフレ率が今年の年末までに目標である1-3%の範囲内に戻るとの予想に基づいて、利下げの開始時期を2025年7-9月期と想定しているが、市場では年内の利下げ観測も高まっている。来週以降もNZドル相場の上値を抑制する要因として意識されるだろう。
南アフリカ・ランド(ZAR)は上値の重い動きとなりそうだ。南アフリカ準備銀行(SARB)は18日に開催された金融政策決定委員会(MPC)で政策金利を現行の8.25%で据え置くことを決定。声明では「インフレ期待は依然としてSARBの目標インフレ率4.5%を不快なほど上回っている」と言及があった一方、2024年と2025年のCPI見通しが引き下げられたほか、今回の会合でも6名のMPC委員のうち2名が利下げを支持していたことが明らかになった。市場では早期の利下げ期待も高まりつつあるが、今週は24日に6月CPI、25日に6月卸売物価指数(PPI)の発表が控えており、SARBの想定通りにインフレが推移していくか確認しておきたい。
7月15日週の回顧
豪ドルは軟調。週明けから対円を中心に売りに押される展開となり、豪ドル円は6月中旬以来の水準まで値を下げた。ZARも対円では約1カ月ぶりの水準まで下押し。為替介入観測の影響で円相場が全般に上昇した影響を受けたほか、株安を手掛かりにしたリスク回避目的の売りも観測された。(了)
◆NZ、インフレ鈍化で年内の利下げ観測が高まる
◆ZAR、インフレ指標に注目
予想レンジ
豪ドル円 102.00-108.00円
南ア・ランド円 8.30-8.80円
7月22日週の展望
豪ドルは対円を中心に荒い値動きとなりそうだ。今週も政府・日銀による円買い介入が実施された可能性が高まる中で全般に円買いが強まり、豪ドルも対円で大幅な調整が続いた。トランプ前米大統領や河野デジタル相などから円安の是正を求める声が相次いで伝わったこともあり、来週以降も日米の要人発言には引き続き注意が必要となるだろう。4月末の前回介入時には5円程度の調整が入った後、次第に豪ドルを買い戻す展開へと移行したが、今回も同様の推移を辿るのか注意深く見極めたい。
また、今週に伝わった「米国が対中半導体規制でさらなる厳しいルールを検討していることを同盟国に警告した」との報道に対する影響も気になるところだ。ここまで米国株相場の上昇を押し上げてきた半導体関連株が売りに押されており、株安基調が継続した場合はリスクに敏感な豪ドルの重しとなることが予想される。豪州が中国と貿易関係が深いこともあって、他の主要国と比較しても中国絡みの報道に影響を受けやすい点も注意しておくべきだろう。
なお、今週に発表された6月雇用統計では新規雇用者数が予想より強い結果となったが、相場への影響は限られた。来週は豪州から主だった経済指標の発表が予定されていないこともあり、ドル円相場や株価動向など外部要因に左右される展開が続くことが予想される。
隣国のNZでは今週発表された4-6月期の消費者物価指数(CPI)が予想を下回り、6四半期連続でのインフレ鈍化となった。NZ準備銀行(RBNZ)はインフレ率が今年の年末までに目標である1-3%の範囲内に戻るとの予想に基づいて、利下げの開始時期を2025年7-9月期と想定しているが、市場では年内の利下げ観測も高まっている。来週以降もNZドル相場の上値を抑制する要因として意識されるだろう。
南アフリカ・ランド(ZAR)は上値の重い動きとなりそうだ。南アフリカ準備銀行(SARB)は18日に開催された金融政策決定委員会(MPC)で政策金利を現行の8.25%で据え置くことを決定。声明では「インフレ期待は依然としてSARBの目標インフレ率4.5%を不快なほど上回っている」と言及があった一方、2024年と2025年のCPI見通しが引き下げられたほか、今回の会合でも6名のMPC委員のうち2名が利下げを支持していたことが明らかになった。市場では早期の利下げ期待も高まりつつあるが、今週は24日に6月CPI、25日に6月卸売物価指数(PPI)の発表が控えており、SARBの想定通りにインフレが推移していくか確認しておきたい。
7月15日週の回顧
豪ドルは軟調。週明けから対円を中心に売りに押される展開となり、豪ドル円は6月中旬以来の水準まで値を下げた。ZARも対円では約1カ月ぶりの水準まで下押し。為替介入観測の影響で円相場が全般に上昇した影響を受けたほか、株安を手掛かりにしたリスク回避目的の売りも観測された。(了)