株式明日の戦略-4451円安の翌日に3217円高、早期にもう一段戻せるかが重要に

 6日の日経平均は4日ぶり大幅反発。終値は3217円高の34675円。5日の米国株は、ダウ平均が4桁の下落となるなど厳しい下げとなった。ただ、日経平均は前日に4000円を超える下落となっており、反動で夜間先物やCME225先物は大幅上昇。円高に一服感も出てくる中、寄り付きから600円を超える上昇となった。

 前日とは真逆で、主力銘柄の多くが買い気配スタート。指数はすぐに上げ幅を4桁に広げた。32000円は寄り付きで上回ると、33000円、34000円の節目を軽々突破。10時近辺では34900円台に乗せて35000円に迫った。35000円には乗せられず、上げ幅を3500円近くに広げたところで買いは一巡。ただ、伸び悩んでも萎んでくると改めての買いが入った。後場は13時台では上げ幅を縮めるも、14時台に入ると盛り返した。引けにかけては強めの買いが入り、終値で3000円を超える大幅上昇。1990年10月2日の2676.55円高を上回り、歴代最大の上げ幅を記録した。

 日経平均が10.2%高、TOPIXが9.3%高、グロース250指数が10.1%高と、大型・中小型株問わず水準を切り上げた。東証プライムの売買代金は概算で7兆7500億円。業種別では全業種が上昇。中でも海運、ゴム製品、その他金融などの動きが良く、33業種中、16業種が2桁の上昇率となった。一方、銀行、食料品、医薬品などは相対的に見劣りする上昇となった。三菱重工業<7011.T>が1Q決算を材料に後場一段高。ストップ高をつける場面もあるなど値を飛ばした。反面、川崎重工業<7012.T>は昼休みに発表した1Q決算が失望を誘い、後場マイナス転換から下げ幅を広げた。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1575/値下がり64。東京エレクトロン、アドバンテスト、レーザーテックなど半導体株が急伸。ソニーG、日立、富士通、NECなど総合電機株の動きも良かった。為替が円安に振れたことでトヨタやホンダなど自動車株が軒並み大幅高。1Qが大幅な営業増益となったキッコーマンがストップ高まで買い進まれた。グロース市場ではサンバイオやセルシードがストップ高となるなど、バイオ関連の物色が盛り上がった。リスク選好ムードが高まる中、タイミーが17.4%高となるなど、直近上場株にも資金が向かった。

 一方、前日ストップ安となった三井住友が、全市場の売買代金トップとなる大商いで2%近い下落。1Qが最終減益となった味の素が急落した。下方修正を発表したJFEHDやポーラオルビスが大幅安。半導体関連は強く買われる銘柄も多かった中、東京精密は4.8%安と弱さが目立った。

 日経平均は大幅高。歴代最大の下げ幅を記録した翌日に、歴代最大の上げ幅を記録した。ただ、これだけ派手に上げるということは、その手前までが無駄に下に値幅が出たことの裏返しでもある。日本株はあすから週末までの3営業日が重要となる。来週月曜の12日は休場。8月2日に2216円安、5日に4451円安となっており、きょうの3217円高では直近2営業日の下げの半分程度しか戻していない。今週のうちに最低でも一度は4桁レベルの上昇が見られないと、きょうの上げ自体が一時的なアヤ戻しにすぎないとの見方が強まり、三連休を前にリスク回避の売りが出やすくなる。振れ幅の大きさに辟易している投資家も少なくないと思われるだけに、戻りが甘いとそのことが株式から資金を引き揚げる理由にもなる。テクニカル的には、まずは5日線(35854円、6日時点)を早々に上回ることができるかが注目される。難なく超えてくれば押し目買い意欲は高まる一方、売り急ぎは抑制されやすく、反転攻勢モードに入る展開が期待できる。
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