ロンドン為替見通し=リスクセンチメント改善期待、スイスフランが売られやすいか

 本日のロンドン為替市場では、昨日の米株式市場の大幅上昇を受けてリスクセンチメントの改善が期待できるなか、スイスフランや円などは対ユーロで売られやすい地合いとなるか。また、序盤に発表されるノルウェーのインフレ指標もノルウェー・クローネ(NOK)の動意に繋がりそうだ。

 昨日の欧州株は売りが先行したものの、独株はプラスを回復し、マイナスで終えた主要指数も低下幅は縮めて終えた。米国の週間失業データが予想より強い結果だったことを好感した米株の買い戻しにつれた形だが、欧州引け後に米株は一段高となっており、欧州金融市場もまずはリスク選好ムードが高まって始まりそうだ。

 リスクセンチメントの強弱で上下しやすいユーロスイスフランは昨日、0.93フラン半ばを下押し水準に0.94フラン半ばまで反発。5日のパニック相場で0.92フラン手前まで急落したところから、着実に下値は切り上げてきている。しかしながら、イスラエルを巡る中東情勢に落ち着く兆しは見られず、地政学リスクへの警戒感は高まったままだ。ユーロスイスフランにとって、株価動向とともに注意すべき材料となる。

 序盤に発表される7月ノルウェー消費者物価指数(CPI)は先月比、前年比ともに前回値から加速が見込まれている。ただし、それでも前年比は予想2.8%と6月分の3.0%を下回った水準。見込み通りであれば、今年に入ってからのインフレの鈍化基調が継続していると受けとめられるのではないか。

 また、このノルウェーCPIは前2回連続で予想から0.3ポイント下回った結果が出ている。今回も下振れるようであれば、前回のノルゲバンク(ノルウェー中銀)会合で年内は据え置きが示唆された政策金利に対し、下向きバイアスが強まるのではないか。次回会合は来週15日に予定されている。

想定レンジ上限
・ユーロドル、5日高値1.1008ドル
・ユーロスイスフラン、1日高値0.9515フラン
・NOK円、7月30日高値14.13円

想定レンジ下限
・ユーロドル、ピボット・サポート2の1.0852ドル
・ユーロスイスフラン、8日安値0.9355フラン
・NOK円、7日安値13.19円


(小針)
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