ロンドン為替見通し=7月英小売売上高を見極めた後はウクライナ情勢に要警戒か

 本日のロンドン為替市場のポンドドルは、7月英小売売上高を見極めた後は、引き続きウクライナ情勢に関するヘッドラインには警戒しておきたい。

 7月英小売売上高(自動車燃料含む)は前月比+0.5%、前年比+1.4%と予想されており、6月の前月比-1.2%、前年比-0.2%からの改善が見込まれている。
 4-6月の賃金上昇率はボーナスを除くベースで前年同期比+5.4%と発表されており、22年8月以来の低い伸び率を記録していた。
 また、7月の消費者物価指数(CPI)は前年比+2.2%と、5月、6月の同比+2.0%から上昇しており、7月も賃金上昇率の低下基調が続いていた場合、小売売上高のネガティブサプライズに警戒しておきたい。

 ウクライナによるロシア領への越境攻撃に関しては、戦況に大きな転換をもたらすのか否か、依然として不透明なままとなっており、ユーロへの影響は限定的となっている。

 楽観的な見方としては、有利な戦況を作り出すことでロシアを和平協議に応じさせる可能性が指摘されている。
 悲観的な見方としては、プーチン露大統領が戦況が不利になった場合、「核戦争の脅威が高まっている」と警告していたことで、戦術核の使用に踏み切る可能性が警戒されている。

 ロシアによる戦術核使用のレッドラインは「通常兵器によってロシアが侵略され国家の存立が危機的になった時」となっている。


想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1047ドル(8/14高値)
・ユーロ円:165.11円(7/30安値)
・ポンドドル:1.2968ドル(7/19高値)
・ポンド円:193.23円(日足一目均衡表・基準線)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0913ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:161.95円(8/15安値)
・ポンドドル:1.2769ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:188.76円(8/15安値)


(山下)
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