ニューヨーク外国為替市場概況・23日 ユーロドル、反発

 23日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは反発。終値は1.1192ドルと前営業日NY終値(1.1112ドル)と比べて0.0080ドル程度のユーロ高水準だった。米重要イベントを前にしばらくは1.11ドル台前半でのもみ合いが続いていたが、NYの取引時間帯に入ると強含んだ。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長はジャクソンホール会議での講演で「政策を調整する時が来た」「インフレ率が2%への軌道にあるとの確信強めた」と述べたほか、「労働市場がこれ以上減速することを歓迎しない」などと発言。市場では「9月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ開始をほぼ明言した」と受け止められ、ドルを売る動きが広がった。3時過ぎには一時1.1201ドルと昨年7月20日以来約1年1カ月ぶりの高値を付けた。
 主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時100.60と昨年7月27日以来の低水準を更新した。

 ドル円は大幅反落。終値は144.37円と前営業日NY終値(146.29円)と比べて1円92銭程度のドル安水準だった。米重要イベントを前にポジション調整目的の買いが先行すると一時146.48円と日通し高値を付けたものの、前日の高値146.53円がレジスタンスとして働くと失速した。パウエルFRB議長の発言を受けてFRBによる9月利下げ転換が改めて意識されると、米長期金利の低下とともに全般ドル売りが活発化。前日の安値144.85円や21日の安値144.46円を下抜けて一時144.05円まで値を下げた。米長期金利の指標となる米10年債利回りは3.78%台まで低下した。
 なお、ボスティック米アトランタ連銀総裁は「利下げを開始する準備が整いつつある」と述べたほか、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁も「金利を引き下げ始める必要がある」との考えを示した。

 ユーロ円は3営業日ぶりに反落。終値は161.58円と前営業日NY終値(162.56円)と比べて98銭程度のユーロ安水準。23時前に一時162.71円と日通し高値を付けたものの、前日の高値162.91円が目先レジスタンスとして意識されると失速。4時30分過ぎには161.21円と日通し安値を更新した。ドル円につれた動きとなった。

本日の参考レンジ
ドル円:144.05円 - 146.48円
ユーロドル:1.1105ドル - 1.1201ドル
ユーロ円:161.21円 - 162.71円

(中村)
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