ニューヨーク外国為替市場概況・21日 ユーロドル、4日続伸

 21日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは4日続伸。終値は1.1150ドルと前営業日NY終値(1.1130ドル)と比べて0.0020ドル程度のユーロ高水準だった。米労働省が公表した年次改定では3月までの年間雇用者数の伸びが81.8万人下方修正されたため、米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.75%台まで低下。全般ドル売りが優勢となった。
 米連邦準備理事会(FRB)が公表した7月30日-31日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で「大多数の当局者は9月の利下げは適切とみている」「数人の当局者が7月会合で利下げの論拠を指摘」「一部当局者は労働市場のより深刻な悪化のリスクを指摘」との見解が示されたこともドル売りを促した。3時30分前には一時1.1174ドルと昨年7月20日以来約1年1カ月ぶりの高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時100.92と昨年12月28日以来の低水準を付けた。
 なお、米雇用統計の年次改定公表が予定されていた23時を過ぎても発表されなかったことから、仕掛け的なドル買いが入ると一時1.1100ドルと日通し安値を付ける場面があった。市場では「昨年の数字である30.6万人の下方修正と勘違いした向きがドル買いを進めた」との声も聞かれた。

 ドル円は小幅ながら4日続落。終値は145.21円と前営業日NY終値(145.26円)と比べて5銭程度のドル安水準だった。市場が注目していた米雇用統計の年次改定の公表が遅れたことで仕掛け的なドル買いが先行すると、23時過ぎに一時146.77円まで値を上げたものの、すぐに失速した。予定より30分以上遅れて発表された米雇用統計の年次改定の結果が伝わると米利下げ観測が強まり、米金利の低下とともにドル売りが優勢に。FOMC議事要旨を受けてドル売りが加速すると一時144.46円と7日以来の安値を付けた。
 ただ、「145円割れの水準では本邦実需勢のビッドの厚さが意識される」との声が聞かれる中、押し目を拾いたい向きも多く、引けにかけては下げ渋った。

 ユーロ円は4営業日ぶりに反発。終値は161.95円と前営業日NY終値(161.67円)と比べて28銭程度のユーロ高水準。欧州株相場の上昇を背景に円売り・ユーロ買いが先行すると、23時過ぎに一時162.92円と日通し高値を付けた。そのあとは一転売りが優勢となり161.41円付近まで下押ししたものの、引けにかけては持ち直した。ドル円と似た動きとなった。

本日の参考レンジ
ドル円:144.46円 - 146.77円
ユーロドル:1.1100ドル - 1.1174ドル
ユーロ円:161.36円 - 162.92円

(中村)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。