ロンドン為替見通し=経済イベントを気にしつつも月末日で気の抜けない展開か

 本日の欧州市場では、独やユーロ圏で発表される経済指標や欧州要人発言を通して9月の欧州中銀(ECB)理事会での利下げ観測が高まるか確認しつつ、米指標や月末のフィキシングに備える展開が予想される。

 まず、欧州序盤にはドイツで小売売上高が発表予定。市場予想は前月比が+0.1%、前年比は-0.7%となっている。
 先週発表された同国の製造業やサービス業の購買担当者景気指数(PMI)速報値が弱い内容となったのを始め、昨日の8月消費者物価指数(CPI)速報値は前月比で予想外の-0.1%となったほか、前年比は+1.9%と2021年3月以来となる低い伸びだった。欧州最大の経済国であるドイツで弱い指標が相次いでおり、結果に注目したい。

 また、本日は要人発言も複数予定されているが、その中でもシュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事の講演に注目が集まるか。ユーロ圏のインフレ動向に対する見解が注目ポイントの1つとなろう。

 その後の18時にはユーロ圏で8月消費者物価指数(HICP)速報値が発表予定。市場予想は前年比+2.2%と前月の+2.6%から伸びが大幅に鈍化することがが見込まれている。足もとで9月ECB理事会での利下げ観測が浮上している中、弱い結果となった場合は利下げ観測が一段と高まってユーロの重しとなりそうだ。

 また、NY市場序盤に7月米PCEデフレーターの発表が控えている。ユーロ圏のインフレ指標を確認した後は、米指標発表に備えて次第に売買が手控えられることも想定される。

 そのほか、本日は月末日にあたり、日本時間24時のロンドンフィキシングに向けて相場が動意づくことも考えられる。前後はフロー中心の動きとなる恐れがある点には注意したい。


想定レンジ上限
ユーロドル:1.1129ドル(日足・一目均衡表の転換線)を超えると、1.1202ドル(8/26高値)

想定レンジ下限
ユーロドル:1.1037ドル(21日線)を割り込むと、1.0990ドル(日足・一目均衡表の基準線)

(川畑)
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