東京為替見通し=ドル円、ドル売り一服で株価にらんで方向感模索か

【本文:一部訂正します】

 昨日の海外市場では、ドル円はポジション調整目的のドル買いが入ると145.04円まで上昇したが27日高値145.18円を前に伸び悩んだ。米国株相場の下落や日経平均先物の失速なども相場の重しとなり、その後は米半導体大手エヌビディアの決算発表を控えて様子見ムードとなった。ユーロドルは利益確定のユーロ売りに押されて1.1105ドルまで下落した。

 本日のドル円相場は、手掛かり材料を欠く中で株価をにらんだ展開となるか。前週末のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長講演を受け、米9月利下げが既定路線となるも、足もとのFedWatchを見ると、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ予想は0.25%が6割となっており、一時期高まった0.50%の利下げ予想は4割弱に留まっている。ドル円は週初の26日こそ143.45円まで下落したが、その後は143円台では底堅さを見せており、前週末からのドル売りの動きは一服している。次に市場の関心が向かいそうなのが、明日の8月東京都区部消費者物価指数や7月米PCEデフレーターであり、それまでは144円台を中心として積極的には動きづらい展開となるかもしれない。

 そうした中ではあるが、エヌビディア決算を受けた株価の動きには注意したい。第2四半期決算では調整後の1株利益は0.68ドルと予想の0.64ドルを上回ったものの、時間外取引では一時7%超下げる場面があった。時間外の米国株のほか、日経平均に影響が及ぶことがあれば、ドル円相場を動かすことも考えられる。

 なお、本日アジア時間には、NZで8月ANZ企業信頼感が、豪では4-6月期四半期民間設備投資が、それぞれ発表される。昨日豪ドル/NZドルは一時1.0856NZドルまで下落して5日安値1.0844ドルに迫った。いずれも相場を大きく動かす指標ではないが、利上げ観測が根強い豪と追加利下げ観測がくすぶるNZとの金融政策の方向性の違いが意識される場合、5日安値をサポートに切り返す場面もありそうだ。

(川畑)
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