NY為替見通し=祝日明けの米国勢、日銀の政策方針への反応に注目

 本日のNY市場では、3連休明けの米国勢が、植田日銀総裁が改めて示した金融緩和の調整方針についてどのような反応を示すかが注目される。

 政府が本日開いた経済諮問会議に植田総裁が出席し、7月の日銀会合の決定の説明資料を提出した。資料を通じて日銀総裁は、経済・物価見通しが実現していくのであれば「利上げ継続」という従来の方針を繰り返した。資料では「実質金利の大幅マイナスで、緩和的な金融環境は維持」とも記されていたが、「日銀の追加利上げ」に反応した海外勢がアジア午後から欧州前半にかけて円買いを強めたもよう。

 ドル円は、本日の東京午前で147円台を見た後に145円台まで失速しており、米国勢としては出遅れた感じはありそうだ。商品先物取引委員会(CFTC)発表の8月27日時点における投機筋の先物ポジション状況は、円は2万5000枚超のネットロング。前週比では2000枚超の増加に留まったが、ある意味では円買い余力は残っているとも言える。

 本邦金利の先高観で日経平均先物も時間外で売られ、米株先物もつれて弱含んでいる。今週は主要な米労働データが目白押しであり、メインイベントの8月米雇用統計が金曜日に控えていることもあり、リスク資産を一旦減らす動きもあり得るだろう。そういった中で円が買われやすくなり、ドル円は下値余地を試す場面があるかもしれない。

 なお本日の米経済指標では、8月製造業PMI改定値(予想:48.1)や同月ISM製造業景気指数(予想:47.5)などが発表される。

想定レンジ上限
・ドル円、本日の欧州前半までのレンジの半値146.41円
想定レンジ下限
・ドル円、日足一目均衡表・転換線145.33円を割り込むと、8月30日安値144.66円。



(小針)
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